■購読案内 ■サイトマップ
 
 2008年12月1日(月)

小泉容疑者 短期間で職 転々 生計はネットの株取引

 
小泉容疑者が住んでいた自宅アパートの玄関=さいたま市北区東大成町2丁目

 元厚生次官ら連続殺傷事件で、銃刀法違反容疑で逮捕された小泉毅容疑者(46)がさいたま市北区のアパートに転居して以降、職を転々とし、最近はインターネットの株取引を中心に生計を立てていたことが、これまでの警視庁や県警の調べなどで明らかになった。特定の人間と親しく付き合った様子もなく、自室でパソコンと向き合うなど、孤独で質素な生活を送っていた姿が浮かび上がる。だが、何かをきっかけに凶行を計画するようになった。その「スイッチ」は何だったのか。県警は解明を急いでいる。

凶行の「スイッチ」どこに

 ◆「怖さ」漂わす

 鋭い目付きに、無精ひげ。重さ約20キロのバールをバーベル代わりに体を鍛える…。小泉容疑者の自宅近くに住む人たちは、事件前の同容疑者のことを「怖い」と一様にもらす。工事業者やガソリンスタンド店員などに大声で怒鳴り散らすなど「クレーマー」として、近所では「近寄りがたい人」という見方で一致していた。

 また、10年前にさいたま市北区のアパートに転居して以降、コンピューター関連会社など4〜5社で働いたが、いずれも短期間で退職。親しく付き合いをした同僚もいなかったようだ。

 ◆自宅に人の出入りなく

 2、3年ほど前に仕事をしなくなってからは、もっぱらインターネットで株取引の日々。株取引は百回近く繰り返していて、その取り引き状況をパソコンの表計算ソフトで細かくチェックしていた。近隣住民も「いつ仕事をしているのかよく分からない」というように、自室にこもっている時間が長かったらしい。

 小泉容疑者に結婚歴はなく、友人などが同方に出入りしていた様子もない。仕事も営業職を経験したことはほとんどなく、パソコンと向き合う仕事が中心。近隣住民とささいなことでトラブルになるなど、人付き合いが良好とは言いがたい。

 ◆動物への思い強く

 三カ月ほど前には、さいたま市内のキャバクラ店を訪れた。だが、同店店員によると、小泉容疑者は好みの女性を指名することなく、終始おとなしい様子だったという。

 一方で、動物に対する思いは強いようで、警視庁の調べには淡々と応じているが、動物のことになると、急に冗舌になるという。

 そんな小泉容疑者が、何かをきっかけに凶行を計画するようになった。捜査幹部などによると、同容疑者は国会図書館に行き、厚生幹部の職員録を閲覧。「ターゲット」の住所を調べあげて犯行計画を練り、現地を下見していた。

 ある捜査幹部は「普段の生活がすべて判明していないので、何とも言えないが」と断った上で「官僚のトップを狙う明確な理由が見当たらない。だが、何かをきっかけに凶行に走ったのは間違いない。その点をこれから解明していきたい」と話した。

WEB埼玉ホームへ
 全国各地の関連ニュース

 



 
Copyright (C) The Saitama Shimbun. All rights reserved.