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坂田健史がWBA世界フライ級新王者に=ボクシング
4度目の挑戦で叶えた夢

2007年03月20日

WBA世界フライ級タイトルマッチで挑戦者の坂田は前王者のパーラを3R14秒TKOで破り新王者に
WBA世界フライ級タイトルマッチで挑戦者の坂田は前王者のパーラを3R14秒TKOで破り新王者に【 スポーツナビ 】


 4度目の世界挑戦にして初めて勝利の女神は坂田にほほ笑んだ。WBA(世界ボクシング協会)フライ級タイトルマッチが19日、東京・後楽園ホールで行われ、挑戦者の坂田健史(協栄)が、前日の計量で失格し王座をはく奪された前王者ロレンソ・パーラ(ベネズエラ)を3ラウンド14秒TK0で破り、新チャンピオンになった。過去3度の世界挑戦失敗、パーラの体重超過によって急に定められたウェート増での試合、異例の当日計量、数々の苦難やアクシデントを乗り越え、不屈の男が4度目の世界挑戦でついに悲願を達成した。


過去2度の悪夢を払拭するように

坂田は急激な体重増でもコンディションを万全に整えリングに上がった 坂田は急激な体重増でもコンディションを万全に整えリングに上がった【 スポーツナビ 】
 坂田は過去2度、パーラの世界王座に挑戦している。最初の対戦2004年6月には、あごの骨を砕かれきん差の判定で敗れた。リベンジを誓った2005年9月には、この日と同じ後楽園ホールで再戦を挑んだが、またも判定で敗れてしまった。後楽園ホールは日本ボクシングの聖地と呼ばれているが、坂田にとっては悪夢の場所でもあった。だが、この夜聖地を訪れた満員のファンは坂田にどこまでも暖かい声援を送った。坂田の入場テーマ曲が流れるとスタンドの観客は日の丸の旗を振り、割れんばかりの坂田コールで出迎えた。それとは対照的にパーラが入場した際には大きなブーイングが浴びせられた。それもそのはず、前日の計量ではパーラが2.1キロの体重超過で失格、王座はく奪となっていた。会場のあちらこちらから「日本のボクシングをなめるな!」という声すら聞こえてくる。急きょ試合は両選手とも53.5キロ以下で行われる措置が取られ、当日計量の結果、パーラが53.3キロ、坂田が53.2キロで臨んだ。フライ級より2階級も上のバンタム級に相当するウェートで行うという不測の事態に陥ってしまったのだ。だが坂田は不屈の精神力と積み上げてきた力によってそれを見事にはね返した。


インファイトで執拗なボディーブロー

逃げるパーラ(右)を低い姿勢で追い詰める坂田 逃げるパーラ(右)を低い姿勢で追い詰める坂田【 スポーツナビ 】
 第1ラウンドのゴングが鳴ると坂田はリング中央へ勢いよく駆け出していった。過去2度の対戦では、先にパーラにポイントを稼がれ、後半逃げ切られて敗れている。先行逃げ切り型のパーラに対し、坂田が選択した作戦は序盤からインファイトでの積極的な攻撃だった。距離を置こうとするパーラに対し、坂田は左ジャブを突いてから接近するとパーラの脇腹にボディーブローをたたき込む。前に出る坂田に対し、パーラはロープ際まで後退。ここで坂田が上下に打ち分けるとパーラはたまらずクリンチで逃げ、第1ラウンドを終えた。
 続く第2ラウンドも、逃げるパーラを坂田が追う展開となった。坂田はジャブやフックでパーラのガードを上げさせると、空いた脇腹に執拗(しつよう)にボディーを打ち込む。とことん下がるパーラに坂田は必死に食らいつき接近戦を仕掛ける。低い姿勢からこん身の力を込めてボディーを打ち込む。脇で坂田の腕を抑えるホールディングに出たパーラに、場内からは「逃げるな!」と再びブーイングが浴びせられる。第2ラウンドも坂田のペースのまま終わった。


歓喜の瞬間

いすに座ったままのパーラの前で坂田の勝利が告げられた いすに座ったままのパーラの前で坂田の勝利が告げられた【 スポーツナビ 】
 そして第3ラウンド開始のゴングが鳴り、坂田が飛び出した瞬間、赤コーナーのパーラに異変が起きていた。いすに座ったまま立ち上がろうとしない。パーラは首の痛みを訴え棄権を申し出たのだ。レフェリーが手を交差して試合を止め、ついに歓喜の瞬間が訪れた。3ラウンド14秒、坂田のTKO勝利が高らかに告げられると、聖地が揺れた。飛び上がり高々とトロフィーを掲げ喜びを全身であらわす坂田の腰についに世界チャンピオンベルトが巻かれる。抱き合って喜ぶセコンド陣。「坂田おめでとう!」というファンの大合唱と拍手の波。坂田はリング上から「何回もあきらめそうになりましたけど本当に続けてきてよかったと思います。今日も天国で見守ってくださっている先代の会長(協栄ジム金平正紀前会長)にやっと恩返しをすることができました。今までボクを応援してくださった皆さんのおかげで世界チャンピオンになることができました。本当にありがとうございました」と、感謝の言葉を述べた。
 一方、敗れたパーラは控室で「2ラウンドの途中で坂田の頭が右胸に当たり、それで右腕が無理に上に押された反動で首を痛めた」と説明。自らの体重超過が原因で試合当日もジムで走り込まざるを得ず、コンディションが万全でなかったことから「自分の力を出し切れなかった」と悔やんだ。だが最後には「坂田はとても力のあるいい選手だった。私に勝ってチャンピオンになったからにはこれからタイトルを防衛し続けてほしい」とエールを送った。


夢にまで見たチャンピオンベルト

坂田の“先生”である大竹トレーナー(左)はシャンパンシャワーで祝福 坂田の“先生”である大竹トレーナー(左)はシャンパンシャワーで祝福【 スポーツナビ 】
 プロモーターの協栄ジム金平会長は坂田と抱き合い「坂田が努力でつかみとった勝利です」と祝福した。試合後、控室で坂田は「どんな形でもただ勝ちたかったです。狙い通りのボクシングができたと思います。夢にまで見たチャンピオンベルトの感触は最高でした。本当に信じられないです」と感激に浸っていた。そして、二人三脚で苦楽を共にしてきた大竹重幸トレーナーからは、シャンパンを頭から掛けられた。実はこのシャンパン、昨年12月にパリで行われたロベルト・バスケスとの暫定王座決定戦の前に現地で購入したが、敗れてしまったため「チャンピオンになる日のために取っておいた」という特別な代物だった。父親の直文さん(54)や2人の弟、ジムメートらも次々に祝福に駆けつけ、新チャンピオンと最高の喜びを分かち合っていた。
 昨年12月、暫定王者決定戦でロベルト・バスケス(パナマ)に判定で敗れた直後は引退も考えたが、「夢はあきらめたら夢のまま終わってしまう。信じて努力すれば必ずかなう」と現役続行を決意。2月に行ったハワイ合宿では連日20キロ、延べ200キロ以上を走り込み下半身とスタミナを徹底的に強化した。150ラウンド以上に及ぶスパーリングでパーラのクリンチやホールド、ラフプレー対策も講じてきた。苦しい減量にも耐えてきた。すべてはこの日のために。天賦の才能に甘んじることなく、勤勉さと不撓(ふとう)不屈の精神を持ち合わせた男がようやく夢を実現させた。この男の快挙にどれだけの人が勇気づけられたことだろうか。どれほどのボクサーの励みになるだろうか。この夜は、WBAの歴代チャンピオンリストに坂田健史の名前が刻み込まれたメモリアルナイトとなった。

■第339回 ガッツファイティング WBA世界フライ級タイトルマッチ
3月19日 東京・後楽園ホール 

<第7試合 WBA世界フライ級タイトルマッチ12R>
[前王者]●ロレンソ・パーラ(べネズエラ)
(3R14秒 パーラの棄権によるTKO)
[挑戦者]○坂田健史(WBA世界フライ級3位/協栄)
※坂田健史が新チャンピオンに

<第6試合 スーパーバンタム級8R>
●池田光正(花形)
(8R判定0−3/74−78 73−79 74−79)
○瀬藤幹人(協栄)

<第5試合 フェザー級6R>
●龍見三太郎(F.I)
(6R判定0−3/57−59 56−59 56−59)
○加治木了太(協栄)

<第4試合 スーパーウェルター級6R>
○大迫 亮(熊谷コサカ)
(4R1分22秒 TKO レフェリーストップ)
●チャイチャナ・ウィンディージム(タイ)

<第3試合 スーパーライト級6R>
●末永達也(輪島スポーツ)
(6R判定0−3/57−58 57−59 56−58)
○田中慎GO(ナカハマ)

<第2試合 65.0kg契約4R>
●東方雄作(JBスポーツ)
(4R判定0−3/3者とも38−39)
○中村美飛虎(ワタナベ)

<第1試合 スーパーフェザー級4R>
○池ノ内亘(F.I)
(4R判定2−1/38−39 39−37 39−38)
●酒井博敬(東拳)

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