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社説

新生児死亡 安心の医療体制が急務(12月3日)

 周産期医療の体制の貧弱さが招いた悲劇だ。

 札幌市内で昨年十一月、早産の未熟児が、七つの病院に受け入れを拒否された末に、やっと搬送された病院で十日後に死亡していたことがわかった。

 今年十月には東京で、脳内出血を起こした妊婦が八カ所に受け入れを断られ、最後に収容された病院で死亡した。

 今の日本の医療体制では、安心してお産ができないということか。体制の見直しが急がれる。

 死亡したのは、妊娠二十七週の女性が出産した一三〇〇グラムの男児だ。自宅で生まれ、救急車で運ばれたが、北大病院や総合周産期母子医療センターに指定されている市立札幌病院など、市内の病院から次々と受け入れを断られた。

 拒否した七つの病院のうち、未熟児の医療に欠かせない新生児集中治療室(NICU)を備えているところは五カ所あった。NICUが満床だったことや当直医が他の患者の治療中だったことが拒否の理由だ。

 病院のNICUに空きがあれば、事態は異なっていたかもしれぬ。

 厚生労働省の研究班は昨年、NICUの設置目標を出生千人に対して三床と示している。この目標値を北海道に当てはめると、全道では百二十八床、札幌をはじめとする道央圏では七十五床になる。

 だが一日現在で、広さや医師数などで診療報酬の算定基準を満たすNICUは、全道で九十六床、道央圏は五十七床だけだ。

 基準を満たさないものの、人工呼吸器を備えているベッドも含めると、目標値は達成しているが、決して十分な体制とは言えない。

 一方、近年の医療技術の進歩で、未熟児など集中治療が必要な新生児の救命率が向上、NICUの利用件数や期間が増えている。それが、NICUの不足にもつながっている。

 NICUの整備を早急に進めることが必要だ。そのためには医師の確保も欠かせないが、問題は専門の新生児科医をはじめとする小児科の勤務医が少ないことだ。

 昼夜を問わない激務や訴訟リスクの高さから、退職して開業に転じる医師が相次いでいる。その結果、医師不足がさらに加速する。小児科を志望する医学生も少なくなった。産科同様の悪循環だ。構造的な問題というしかない。

 問題解決の決め手はないかもしれぬが、激務に応える報酬の在り方や臨床研修制度の見直しなど、やらねばならないことも少なくない。

 医療への信頼を取り戻すため、国や大学医学部、医師会などが協力して真剣に考えてもらいたい。

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