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「薬業界運営基準及び資質向上検討委員会報告書」公表を終えて日本置き薬協会 足高慶宣事務局長に聞く
日本置き薬協会がイニシャチブを取って組織された配置販売業と店舗販売業が薬業界で初めて横断的に連携しての薬業連絡会。その「薬業運営基準及び資質向上検討委員会」がまとめた「報告書」が9月13日、発表記者会見で公表された。日本置き薬協会からは同検討委員会に河上宗勝会長と足高慶宣事務局長が委員として参加。特に足高事務局長はこのほか同委員会ワーキンググループ委員会にも所属、配置莱業の実態に即した報告書のとりまとめに奔走した。同報告書は今回の改正薬事法の実際の運用での薬業界の意見をとりまとめたものだ。報告書とりまとめを終えた足高事務局長に、これまでの経緯や今後の活動で話を聴いた。(聴き手=有馬純雄・日本置き薬協会東京支部長)
厚労省医薬食品局長にも理解求める本日(9月20日)、厚生労働省医薬食品局長室に高橋直人局長を、日本置き薬協会として河上会長、右近筆頭副会長、足高事務局長の3人がお訪ねし、日本置き薬協会が配置販売業界を代表し参加しているか小売薬業5団体の案業連絡会が改正薬事法の効率的運用のための提案をまとめて作成した『報告書』を、直接お渡しになって来たとのことですが。 【足高】 高橋局長へのごあいさつを兼ね伺って来ました,小売薬業5団体で、有識者の方々にもお願いして今回の薬事法一部改正に伴う一般用医薬品販売制度の在り方の抜本見直しに関する有効運用の提案を「報告書」にまとめさせていただきましたが、これを厚労省にどのように受け止めていただいて、行政に具現化していただくかで、ご理解を賜らなくてはいけませんので、本日は“ごあいさつ”で、お伺いしまた。 『報告書』作成は単なるスタ-ト台です。小売薬業5団体としてまとめていますので、5団体としての統一的なものでは勿論ありますが、日本置き薬協会としては、置き薬業界としての個別的な具体策…それに対する厚労省さんのご協力・ご理解をあおぐべき具体的要望書も近く作成させていただきたいと思っています。
薬業連絡会検討委員会なぜ設立した今回の『報告書』作成に至る経緯をまずお聞きしたい。報告書を作成した薬業連絡会「薬業界運営基準及び資質向上検討委員会」はなぜ設立されたのか。それに日本置き薬協会はどのように関わったのか。 【足高】 端的に申し上げて、昨年10月19日、薬日新聞さんが新聞社として唯一、厚労省の医薬品販売制度改正検討部会での配置販売業に関するところを詳細に報道していただいた事に、まず瑞を発しています。いったものは、当時19回厚労省検討部会で我々に明らかになった時点で、すでに、「配置業界もこの案を了承している」ということで、実は政府や与党、自民党への根回しは終わっていた段階で、もはや「決定」と言っても良いような状態だったようです。 しかし、我々(配置販売業界における後の日本置き薬協会の主要メンバー等)には、寝耳に水で、その内容を初めて知って非常に驚愕し、配置薬業火急存亡の危機の感を抱きました。なぜなら、それは置き薬の現状認識がまるでなされていない上での改正原案だったからです。私の周囲からも、「いままで配置薬業界はどのように置き薬というものを厚労資寺に説明してきたのか。この厚労省検討部会案がそのまま法制化されたら、配置販売業は間違いなく自然消滅きせられる。我々は廃業か倒産だ」との、たいへん強い憤りの声が挙がりました。 その憤りの声は勿論、厚労省検討部会に対してではありません。これを黙って容認してきた、これまでの配置薬業界の対応に対しての憤りでした。 私個人も全く同じ思を抱きました。「私の家の配置販売業も潰れる」とすぐに思いました。幸い、同じくとても強い憤りをお持ちの河上会長(現日本置き薬協会会長、(社)岐阜県医薬品配置協会会長)や右近会長((社)山口県医薬品配置協会長)ともその後すぐにお目にかかり、「これは絶対になんとかしなくてはいけない。全国で同じ強い危機感を抱く同志を糾合し早急に行動を起こさなくては、配置販売業の将来はなくなる」との見解で一致しました。
日本置き薬協会立ち上げ折衝すると【足高】 置き薬業が、国民や社会から不必要とされて、消滅するのだとしたら、これは仕方がありません。国民や社会に置き薬業が見放された1というのであれば、仕方がない。しかし、今回の薬事法改正のために厚労省が行なったアンケート調査でも、いかに日本の社会における国民のあいだで、置き薬の認知度が高いかは、示されていたはずです。にも関わらず、行政的な制度上の問題で、私たちの置き薬業が消滅の憂き目に遭わされるとしたら、我々はこれを絶対に看過できない。ダメでもともとです。何もしなれば、廃業や倒産に追い込まれるだけです。座して死を待つより、やれるところまで闘おう。となりました。 そして、社会の現実をよくご理解なさっている自民党の国会議員の先生方にご相談申し上げたところ、国会議員の先生方は皆さん、置き薬のことをよくご存知で、「それはたいへんなことではないか。それでは事実上、配置薬業はやっていけなくなる。しかし、改正案に当の配置業界も賛成していたと我々は聞いていた。いまさら、それを覆すとなると、ただ配置薬業存続のためでは世の中、通用しないし、業界のわがまま、勝手では、我々は動けない。まず配置薬業界をある程度、統一しろ」とのご意見を賜りました。 そこで、全配協さんにも、ご意見申し上げたのですが、全配協さんは、厚労省検討部会のそのままの案で法律が作成されていったならぼ、とても配置薬業界は生き残れない!というその案に、すでに厚労省検討部会に提出した“安田意見書”等で賛成なさっていて、どうにも動いていただけない。全配協の清水専務理事などは「もう事は済んでしまっている」との態度でした。 やむを得ず我々は、日本置き薬協会を昨年11月17日に立ち上げ、配置の実情、意見、展望をまとめ、動いていただけない全配協に代わって、厚労省や与党自民党に直接訴えることになったのです。そして、厚労省で今回の改正薬事法に直接チャージされている担当企画宮の方などともお話させていただきました。すると、率直に申し上げて、これまで配置業界は、行政の方々にどのように我々の配置薬業を説明してきたのか。と耳を疑うような状況でした。配置の現状について最初の「一」から担当官の方にお話しなくてはいけない。そのような非常に情けない、悲しい状況でした。厚労省販売制度改正検討部会には全配協の代表委員も参加なさっていました。その委員は配置の実情を一体どのように説明なさってきたのか。ほんとうに憤りを感じました。
置き薬協会臨時総会当日示された案【足高】 厚労省の方々も、私たちの話を聞いて、それが初めて耳にする話だったようで、非常に困られたようでした。国民にとって有益なものを、ちょっとした都合で消滅の道を歩ませるわけにもいかない。しかし、全配協からの代表者も加えた23回もの検討部会を重ねて得られた結論です。政府や与党への根回しも事実上終わっていて、大筋で閣議決定までされている案件です。「いまさらそんな話を持って来られても変えるわけにはいかない」というわけです。幾らお話しても、「我々にとっては生きるか死ぬかの問題だ」とお話しても、ガンとした態度はお崩しになりません。 激しい押し問答が続いたわけです。今後、配置従事者全員が、店舗販売では販売管理師となる登録販売者の試験に合格しないと、配置販売業に従事できなくなるが、これはすでに配置業界(全配協)も容認している。とおっしゃって、一歩も後には引かれないのです。 そして、ことし2月18日午後、自民党から山崎拓先生や高村正彦先生といった派閥の長をはじめとした72名もの国会議員の先生方を招いて開いた日本置き薬協会臨時総会の開催直前の、その日の午前に厚労省から、改正薬事法附則で、既存配置業者及び配置従事者は期限を定めずこれまでどおりに配置販売業を行なうことができるように措置することでどうか。とのご提案をいただいたのです。ただし、その当時、この提案はまだ内密にして外部には漏らさないでくれ。とのことでしたので、私たちは臨時総会の席上でも、ひとと言も漏らしませんでした。ここは強調しておきたいのですが、私たちは、厚労省とのお約束を守りました。 決してその日のうちにFAXであちらこちらに知らせるなどといったことはしませんでした。なぜなら、その内容に私たちはまだ不満だったからです。
日本置き薬協会行なった逆提案とは【足高】 私たちにしてみれば、「改正薬事法の附則の経過措置で、これまでどおり既存配置販売業を認めます」という、ただそれだけでは、逆に私たちの方も困ります。と私たちは申し上げていた次第だったのです。なぜなら、私たち日本置き薬協会は、医薬品販売で国民の安全や利便を担保することに、何の異議もありません。 国民の安全性を守り、かつ利便性を高めるための法改正であるならば、私たち置き薬業が、なんとか生き残れる形を採っていただけるなら、私たちだって当然の如く、法改正の趣旨に積極的に従わせていただく。とお話させていただいたのです。 そして、そのとき、こちらから逆提案させていただいたのは、薬事法附則という不安定な形であっても配置薬業が存続を許されるのであれば、それはそれで結構だが、我々自身がそれに甘んじる形ではなく、むしろ、配置薬業界全体が、医薬品販売で国民の安全性等を守っていくべく、積極的に努めていきたい。だから、既存配置販売業に関しても、ただ「これまでどおり、経過措置で既存配置販売業は認める」ではなくて、「資質向上努力義務といったものを法案に書き加えていただきたい」とこちらからお願いしました。 かつ、厚労省だけでなく、47都道府県薬務行政に、この資質向上努力義務の履行にご協力いただき、既存配置販売業においても資質向上に努め、それが国民のご理解をいただけるよう、国民の方々に分かる形にさせていただきたい。とお願いしました。 それをことし2月28日に、自民党の国会議員の先生方に、自民党日本置き薬議員連盟を立ち上げていただいたときに、山崎拓先生といった自民党の国会議員の先生方の前で、ただ経過措置で既存配置販売業の存続を認めるのではなく、我々自身にも努力義務をしっかり課して、配置販売業の実態に即して、我々の努力を行政サイドもサポートしていただく。等を条件に、自民党にも厚労省の薬事法改正案を国会に提出することを了承していただく。という経緯があったのです。
他の小売薬業4団体にも働きかけを確認したいのは、日本置き薬協会がある程度のイニシャチブを取って、資質向上努力義務を改正薬事法の中に盛り込んでもらった。ということか。 【足高】 そうです。その資質向上努力義務も、単に建前論で終わってはいけないので、早速、薬業他団体の方々にもお話して、これは配置薬業だけに関わらず、医薬品小売業全体に関わる問題でもあるので、日本置き薬協会を含めた小売薬業5団体で薬業連絡会という小売薬業界でこれまでなかったような業界横断的な会を構成して、そして、店舗販売と配置販売が一緒に、改正薬事法に準じた薬業界統一基準と、医薬品販売従事者の恒常的な資質向上策を現実のものとするための、「薬業界運営基準及び資質向上検討委員会」をぜひつくりましょう。ということで、他の小売業4団体の方々のご理解のもとに、4月26日に同検討委員会を立ち上げさせていただいたのです。 この検討委員会も、厚生関係の学者の方や厚生行政関係のコメンテーターの方々だけ、あるいはそれに業界代表者を加えた構成人員では、業界エゴイズムに陥りかねないというので、私たち日本置き薬協会からもご提案させていただき、“オール・ジャパン”といった形で委員の方々をお願いしました。厚生関係で、これほどの方々にご協力いただいたことは画期的なことではないかと思います。
元大蔵省事務次官の長岡実先生、元総理府社会保障制度審査会事務局長の新津博典先生、あるいは元農林水産事務次官の角道謙一先生といった元官界の先生方から、たいへん幅広い分野の方々が、この委員会にご協力なさっていますが、そうした委員の方々の委嘱に関しても、日本置き薬協会が、ある程度の指導力を発揮した。と申しあげて構わないのか。 【足高】 そのとおりです。間違いのない事実です。そう申し上げて構いません。
これまでの薬業他団体との関係では、配置関係団体はほとんど意見も述べず、常に他団体の後塵を拝していたように思われるのですが、今回の薬業連絡会での検討委員会立ち上げでは、そうではなかった。 【足高】 それだけ私たち日本置き薬協会には、たいへん強い危機感があったのです。今回の改正薬事法で、存亡の危機に立たされたのは、チェーンドラッグストア協会さんでも、全日本薬種商協会さんでもありません。私たち置き薬業界でした。 今回の薬事法改正に至ったのは、決して配置販売業での問題が直接きっかけではありませんでした。店舗販売の実態が法律と大きく乖離している。ということが、今回の法改主に至った直接のきっかけでした。それにも関わらず、なぜか、いわば配置薬業がその店舗販売におけるあおりを大きく受けた形で、存亡の危機に立たされた。 それだけに、日本置き薬協会のメンバーの憤りは激しかったですし、かつ真剣でした。いざとなったら、刺し違える覚悟で臨みました。その私たちの心情と置かれた苦しい立場に、ご理解賜った他の小売薬業4団体の方々には、ほんとうに感謝申し上げています。と申し上げても、まだまだ、事は始まったばかりです。ほんとうの勝負は、これからです。
自民党厚労部会にも報告書提出済み【足高】 検討委員会も8月には検討を終え本日(9月20日)、日本置き薬協会として厚生労働省に高橋医薬食品局長をご訪問し、ご提出させていただきました。今後の省令等の施策に、実態に即した提案として、ぜひ具現化していただきたいと要望させていただいています。 また、自由民主党厚生労働部会にも、3月、4月の段階からお話しておりまして、大村秀章部会長(日本置き薬議連加盟衆議院議員・愛知=区選出)からも、「報告書がまとまったらすぐに持ってくるように」との有難いお言葉もかねがねいただいていましたので、すぐにお届けいたしました。現在、自由民主党厚生労働部会でご検討いただいている最中です。
配置は生活者第一主義の医薬品販売業9月13日に全国日刊紙などマスコミ37社を集めて報告書発表記者会見を行なっているが、席上、配置販売業界の代表としどのようなことを事務局長は話されたのか。 【足高】 我々日本置き薬協会が今後、他の小売薬業団体の方々や厚生労働省あるいは都道府県薬務当局の方々のご理解とご協力をいただきながら行なっていく施策についてお話して、ほんとうに簡単な概略だけしかお話できませんでしたが、ご理解をお願いしました。 まず、「ソーシャルインフラとして置き薬を見ていただきたい」とお願いしました。さらに、私どものスタンスは、医薬品販売業ではあるが、あくまで生活者第一主義の販売業であって、生活者の理解や支持がなければ、置き薬箱すら置かせてはいただけないのが、この配置薬販売業であって、置き薬の箱を引き揚げるように生活者から要求されれば、即営業できない業態であることを申し上げました。 というのは、マスコミの中には、「配置というのは、老人をたぶらかすような、あくどい商売をしている奴らや」といった、とんでもない間違った先入観をお持ちの方々もいますので、業界全体は決してそうではないとご理解いただきたかったからです。 しかし、そうは言ってもルール逸脱者はいる。そこで、改正薬事法の中でも、行政のご理解を賜って、改正薬事法附則の経過措置で既存配置販売業の存続をお認めいただいたのはそのとおりだが、それと同時に日本置き薬協会としては、行政の方々にお願いして、資質向上努力義務を法案の中に入れていただいた。ということ。 我々自身が、ちゃんと襟を正してしっかりやっていかないと、法律や行政に見捨てられる前に、お客さまから見捨てられるのだ。ということ。 だから、既存配置販売業を存続していくにあたっても、資質向上努力義務を我々の自主規制で、しっかりとやっていく所存ですので、ご理解を賜りたい。と串し上げました。
生涯学習研修制度は絶対必要不可欠【足高】 今回、有識者の方々を交えた薬業連絡会の検討委員会で、りっぱな報告書を賜りました。日本置き薬協会はこれを我々の“憲法”と捉えています。この“憲法”の趣旨に添って、これを敷行して、我々自身の、配置薬販売業界のルールづくり、“憲法”の趣旨に沿って法律の細目、各論づくりを、これから我々自身で行ない、実行に移していきます。 研修にしても、最低限の知識を常に保つ生涯学習研修制度は絶対に必要です。 既存配置販売業を続ける人たちにも、自主的な形の団体認定資格を策定していきたい。と、すでに準備を進めています。それを、生活者の方々に歴然とわかるような形の制度を構築したい。 かつ登録販売者に関しては、法律で猶予期間はいただいていますが、その猶予に甘えず、ある程度のエリア、たとえば各県エリア等では、やはり既存配置業を続けるにしても、業務の管理者として、登録販売者を積極的に導入していかざるを得ないだろうし、そうしていきたいと、日本置き薬協会としては方針を立てて、その方策に移ります。 またご報告できる機会をぜひつくりたいと思っています。時間はあまり残さていません。「これから委員会を設立して」云々といった悠 長なことは言っていられません。一気呵成に行なわないといけません。皆さんのご協力をお願いいたします。
置き薬はリスク別 に2つの箱必要?検討委員会では、配置薬におけるリスク別陳列についても議論されたはずだが。 【足高】 薬事法でうたっているリスク区分陳列という概念を配置販売業に当てはめ、既存配置販売業で認められるB群医薬品とC群医薬品が明らかにリスクが違うことが分かるように、厳密には、2つの配置箱に分けて配置(陳列)しなくてはいけない。といった考え方も当然あるであろうが、それではむしろ生活者、消費者のほうが困ることになります。それは机上の空論であろうということで、むしろ1つの箱の中でひと目で判ったほうがいいのだから、そういう形で区分できるようにといった案を示しました。 また、アスタリスクのついた薬についても対応を話し合いました。それはまたの機会でお話いたします。 多岐にわたって、いろいろな問題点、問題が惹起してくる可能性などについて、販売現場にタッチしていないと気付かない点についても、私たちは対応を検討しています。
置き薬協会来年4月に制度スタート改正薬事法の完全施行は三年後の平成21年4月です。日本置き薬協会は来年4月からの基礎教育・年次教育スタートを打ち上げているが。 【足高】 既存配置販売を続けるにしろ登録販売者となるにしろ、いちはやく業界でしっかりとした基礎教育、あるいはアップデートな情報をしっかりと積み重ねる努力を少しでも早く始めなくてはいけません。ですから日本置き薬協会はすでに、来年4月を目標にして、配置側の研修教育システムをいまから構築しています。 店舗販売業・配置販売業一緒になった小売薬業界全体での「日本薬業研修センター(仮称)設立は、21年を目標にされています。配置のほうは、それ以前に、この研修センター構想の基本理念とスタンダードを念頭に協議しながら、配置薬販売業の問題点を少しでも早く解決しなくてはいけませんので、19年4月をメドにして、日本置き薬協会が、ことし11月にも小売薬業界代表団体全体で設立されるであろう「日本薬業協議会(仮称)」の方向を先取りした形で、1年前倒しした形で、実行するよう準備を進めています。でないと、厚労省等とのお約束ごとが果たしていけないからです。 そして、改正薬事法完全施行の平成21年4月までに完璧な状態にする。それまでに逐次、段階を重ねておかないと、対応が間に合わないことになります。だから来年4月のスタートなのです。
置き薬協会は改正法の趣旨順守する会員の方から質問状が届いています。「全配協と日本置き薬協会の相違点もっと明確に示してほしい」といったものなのですが、具体的には①資格試験にどのように合格していくのか②資格取得の後の資質向上対策は③情報の開示は④日本置き薬協会運営のために必要な資金の額とその集金方法は⑤日本置き薬協会には置き薬議員連盟があり全配協には配置薬議員連盟があって配置業界には2つの議員連盟が存在するが今後この2つの議員連盟はどうなるのか⑥コンビニで置き薬類似の大衆薬が販売せれるようになったときに我々に求められるもの又は資質はといったものですが、時間がなくなりました。またご回答いただく機会を設けるとして、最後に登録販売者試験受験資格としての「学歴高卒以上」についてお答えください。業界には昭和10年代生まれで中学を卒業してすぐに奉公に出て、実地で薬学知識等を学んでいらっしゃった方も多いのですが…。 【足高】 団魂の世代前の方々は中学を出てすぐに働かれた方は多いと思います。しかし何十年も配置薬業を続けていらっしゃったりっぱな先輩方に、受験資格でそのような要らぬご心配はおかけしません。報告書では、登録販売者受験資格について「旧制中学もしくは高校またはこれと同等以上の学校を卒業した後、2年から3年以上薬局薬店はたは配置販売業の実務に従事した者」との要望を掲げていますが、これはあくまで、これから販売業に従事なさろうとする方々のことであって、既存の個人業者の方々に関しては、ちゃんとこれと同等以上の知識経験を有すると日本置き薬協会など小売薬業5団体等で構成する予定の日本薬業協議会(仮称)が認めた者」と強く要望していきますので、まったくご心配は要りません。 「全配協さんと日本置き薬協会との相違点」云々についてですが、私たちは全配協さんがどのような方針でどのような行動を採られるのかについては全く関知いたしません。しかし、全配協さんが事前に賛成の意見書を出されたこともあって、すでに店舗と配置同一資格、同一試験の登録販売者制度は改正薬事法で成立してしまっており、いまさら「店舗と配置で別々の試験を」と言い出しても話にもならないわけで、日本置き薬協会は、改正薬事法の趣旨を尊重して、かつ現実に即して、置き薬業を後世に残していく施策をどんどん打ち出していくのみです。
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