ジュブナイル

本を開いたそこには今まで体験したこともないような世界が広がっている。
…そういう世界を描きたくて書いた歌です。

ギリシャ神話、プラネタリウム、宮澤賢治、たくさんの童話。
幼いころ、わたしに未知の世界をたくさん教えてくれて、
歌を大好きになるきっかけをくれた先生に感謝を…。

あの担任の先生との出会いが、わたしの今の礎となっているといっても過言ではありません。
そんな幼い頃の、まだ見ぬ世界への憧れをたくさん詰め込んだ歌です。

言葉はかなり選んで作りました。
簡単に言い表せる言葉をあえて固い言い回しにしていたりします。
それとライアーさんからの希望で「蒼」という言葉だけは必ずどこかで入れようと思って入れました。

個人的にはラストサビ前の間奏で入る
「飛行機の音?」(びゅーんっていうやつ)がすごい気に入ってて、
ライブでは効果音にあわせて空を仰いでみたり、ちょっと演劇的に歌っていたりもするんですよ。

※今回のアルバムの曲順は相当悩みながらわたしが決めました。
流れとしてははじめから勢いがあって飛ばしていって、真ん中あたりでいったん緩やかな音になって、
また後半に向けてだんだん収束していくイメージです。

Alea jacta est!

ラテン語の「賽は投げられた」という格言をそのままタイトルにしました。
「シロハネ」の世界ではみんながみんな
「賽が投げられた状態」で突っ走っていくのでちょうどいいかなと。

ライターのJ-MENTさんからは
「疾走感」と「演劇」というキーワードを与えられました。
それをどう織り込むか苦心しつくしたのが2番で現れています(笑)

ちなみにこの曲は、メロディとコーラスをわたしが全部作りました。
かなり全体的にキーが高く、相当高低差をつけてメロを動かしているのですが、
ある歌唱法を使って裏声の部分も声を細くせず、地声とほぼ同じボリュームで
勢いを落とさないように歌っています。
(おなじ歌い方は「アスファルト」でも試みています。)

乙女学入門

私の歌の中ではかなり特殊な位置にある歌だと思います。

「片思い」をテーマにはしているのですが、
愛らしくはかない片思いではなく、(以前書いた「ねがいの魔法」の歌世界とは対照的)
もっと毒々しく、
可愛らしさの中に
じわじわと好きな人を気づかないうちに追い落としていく怖さを表現したくて
たどりついたのが「ですます」口調でした。
好きだからこそ恋を成就させるためにアブナい人になっちゃう。
そんな乙女学、ハマってみませんか?(ヤダ)

曲調はわりと可愛らしいほうだと思います。ぶるよぐにしては。
基本可愛い歌はニガテ意識があるので><
(そんなん言ってたらあかんですよね)

個人的にはし・ふぉ・んに提供したアレンジもわりと好きなんですが
(ずいぶん口を出してアレンジしたのです)
オリジナルも音的な視点からはかなり好きです。
ほわほわしてて。
特にラストサビ前の間奏部分が好きです。

パニック☆しんどろーむ!

振り回される女の子がパニックになっていく様を描いてみました。
でも、歌の中の「彼女」は振り回されイヤンな思いをしつつ、なんだか楽しそうです。
「愛と勇気と自由、満ち溢れる世界なんて、今どき流行らない」とうそぶいてはいますが、
ほんとうはそんなのも信じてみたいんじゃないかと思うのです。
素直じゃない女の子を歌詞の中で描くのは楽しいです。
この子、ちゃんとラストで素直になりますから^^

曲としてはテンポも早くおよそぶるよぐらしくありません。
もう一盛り上がりしたいところですが
このあたりで突き抜けずにとどまるのがぶるよぐっぽさかもしれません。

ちなみに間奏での早口は
本編の設定資料で出てきていたいろんな台詞をごちゃまぜに重ねています。
あちこちでいろんな人がわいわい騒いでてうるさくてしかたない、っていう状態を表現したかったのです。
全部わたしの声です。
スピードの修正もしていなくて、とにかく自分にとって最高スピードくらいの早口で
間奏をモニターで流し聴きしながらタイミングを合わせて
原稿見て何パターンも喋りました。
なんて喋ってたかは…思い出せません><

Salvatore!

「元気でパワフルな応援ソング」を依頼されたのですが、
歌詞を書いているうちになぜか
どんどんプロレス技があちこちでてきておかしなことになりました。(謎)
応援というよりは自分が闘ってるイメージになりました。(汗)

英語はブロークンなスラングを使っています。
めったに英語を歌詞中に用いない人間なので
作詞中は辞書とスラングを集めたウェブサイトにかじりつきでした。

個人的には中途半端に巻き舌になってるところと、「get on!」と、
サビのバックで流れてる「アーアーアーアー」っていうコーラスと、
2番の「いつ来るか今か、そう今だ」というフレーズが気に入っています。

あとラストはこぶしをつきあげみんなで「ナナナ」の大合唱でしょう、これは。
ぜひタテノリで大声でみんなで歌いたいところです。


やっぱり男っぽいんだよなぁ…とほり。

ひだまり

ライブでことあるごとに歌っていたので
「え、まだ収録されてなかったの?」と自分でも思ってしまった歌。(汗)
このアルバムの中ではもっとも古い段階で作られています。
むしろどんな状況下で作ったのか思い出せないほどに…。

この曲はライブの中で皆さんに育てていただいてどんどん成長していった歌。
だからライブで聴かれたことのあるかたは
このテイクを聴いたらずいぶん違うという印象を持たれるかもしれませんね。

ここに収められているのはまだこどもだった頃の「ひだまり」です。

Never Fade

ライアーさんに提出する直前までずっと無題だったので、
痺れを切らしてタイトルは(ヨ)氏がつけました。
いいんじゃないでしょーかっ。

自分としてはこれは私ではなく、
どなたか男性ボーカルのかたに歌って欲しいと常々思っています。
歌詞の一人称が「俺」ですからね…
何を血迷ったのか私。
すくなくともオナゴが「俺」人称で歌詞を書くってのはあまりないと思います。
心の中でガクラン着てました。(汗)

でも歌詞としては全体としてまとまってひとつのテーマを書けたと自負しています。
「周りの雑音に心を惑わされおののくな」
…周囲の目や評価をつい気にして
本来やりたいこと、やらねばならぬことを見失いがちな自分自身にも
いつもそう反芻させています。

午前10時17分

このアルバムの収録曲の中ではもっとも新しく作った曲。
で、もっともケンカした曲です。
まったく意見がまとまらず、
本当にここでは書くのがはばかられるほど異様に険悪な状況の中作ったのですが
そうは聞こえないところがまた…(苦笑)

歌詞はかなりパーソナルな雰囲気です。
元ネタとしては2つ混ざっていて、
よく泊まりに行く友達んちでの
「一晩中ゲームして、うだうだ話しこんでたら朝になったよ超ねむい」っていうのと
また別の友達んちで飼ってる猫にえさをやって
すっかり飼い主気分になってるわたしの状態とがベースになってます。

もともとお泊り会とか大好きで、
よく小中学生の頃は仲良し4人組で各家を一日ずつ泊まったり、
おとなになってもしょっちゅう友達んちに泊まりにいったり
「とまらせてー」とお願いしたり。
自分ちより人んちが好きっておかしいですね(笑)

しかし、「恋愛話をしていて夜が明けた」というのは完全に架空です。わたしの妄想。
残念。

deep forest

コードネーム「森に帰ろう」。(最初のタイトル→もちろんダメだった)
…書いてた歌詞がなぜか誰か人が●にそうなかんじになっていたので
必死に修正して前向きにしました…
なんか樹海っぽいとかいろいろ言われました。
つらい。そんな歌じゃないのに。

1番と2番、ラストに入るコーラスはわたしが作りました。
爽やかに仕上がったと思います。
とにかくもっと可愛らしいかんじにしたいとかなり歌詞を書き直したら
格段に爽やかさが増したと思いました。個人的な感想。
商業ベースで提供している楽曲の雰囲気のなかでは、
もっともぶるよぐらしいともいえる歌だと思います。
(ヨ)氏はアコギ好きだし。

あ、間違っても●にません。堪忍して。ごめんなさい。

メテオさんには
「一番ぶるよぐさんらしいテイストに仕上げてくださればいいですよ!」と言っていただけて、
自由に作らせていただけて本当に感謝しています。
(どのメーカーさんもですけど…)

アスファルト

歌詞は既に4年前に作っていました。
ずっとお蔵入りになっていたのを引っ張り出して修正して今回曲を載せました。

4年前、わたしは人生に相当迷いがあったのかもしれません…。

歌詞に自分のそのときどきの思いが乗ってしまうのが恐ろしくもあり、
またそれもありかなと思ったりもしつつ。

「一人きり明ける空を待つ その瞳には星がひとつ」という歌詞が一番好きで、
最後までここは変更していません。
書いた当初からずっと残っているフレーズです。

歌い方の方向性に関してはまったく迷いはありませんでした。
先ほども少し書いていたのですが
裏声でも地声とほとんど変わらないテンションでの声作りをして歌っています。

シリウス

どうしても星をテーマにした歌をつくりたくて、
ライアーさんに確認も取らずに
星をテーマにした歌を作ってしまったという無謀極まりない歌。
これで作品のEDにあわなかったらどうしたんだろう、わたし…。

ところが、本編ラストですごくぴったりの、スクロールするEDをつけてくださって、
ライアーさんのお心遣いに感謝しきりでした。

このころあたりから
「ぼく(わたし)ときみ(あなた)」の関係性をテーマに歌詞を書くことも増えてきました。
恋愛ではなく、むしろ友情寄りで。

2番からラストにかけての歌詞の内容と構成が特に自分では気に入っています。
あとは(ヨ)氏らしいギターのカッティングとどこか泣きを誘う雰囲気も聞かせどころ。

これを収録したころ、実はかなり自分の声に対して迷っていた頃だったんです。
ボーカルの先生が一時期都合で変更になって、
そのかたに指摘されたことがどうしても心にひっかかって、
歌い方がわからなくなり詰まってしまっていた時期。
決してその先生が悪いわけじゃないんです。
でも、この時期を抜けたからこそのちのちにつながっていくのかなとも思っています。

208の鼓動

これまた作成時期がもっとも古い部類に入る歌。
収録し直していないので改めて聴いてみると
「なんでこんなに弱弱しく歌ってるんだろう」と反省しきりです。
何がまずかったんだろう。
これもライブ向きの曲だなーと思うんですが。

どこかのインタビューでも言ったのですが、
「208拍」はメトロノームのもっとも早い速度で、
「ありえない速さでドキドキしている」という比喩に使ってみたかったのですが
当初は誰にも理解してもらえず。。。

これも2番の歌詞が肝です。
2番はムダに力んでいた力がぬけるのか、
歌詞も歌い方も非常にまとまることが多いのです。わたしの場合。

いや、でも本編で実際に使われるのは1番のことが多いのでそれではいかんのですが…
多分それがあって1番は気負ってしまうんでしょうね。
すべてにおいて良好なペース配分が出来るよう気をつけているところです。

ロマンチスタ

「ロマンチスタ」は誤植ではなくて、
「ロマンチスト」と「ファンタジスタ」と「スター」をかけてごちゃごちゃにして
結局意味がよくわかんなくなっちゃった造語です。

歌詞はちょっと説教くさいかなーというきらいもあるんやけど、
でもほんのり、自分を元気付けるつもりで書いてみた曲なので
ある意味かなり内省的かもしれません。

ほかの人にとってはささいなことでも
自分にとっては大きくて、引っかかってムっとすることも多いですもんねー。
でも、なんとなく、歩けているのも
きっと毎日の中に楽しいことやすてきなことを見つけられるからだと思います。
基本、あきらめたらだめ。
そんなことがすこしでも伝われば、
わたしも歌っている甲斐があるかなと思います。

わたしも含めて日々、迷いの中で生きています。
でもそれは誰の人生でもない自分の人生を生きているからこそです。
つらいことがあってもそれは自分にとって越えられるハードルのはず。
何もない平坦な人生はないし、そんな人生だからこそ生きていくのが面白いんだと思います。
たとえば今、なにもないつまんない毎日だと思っているひとがいたら
きっと何かが見えないままになっているだけなのかもしれません。

…語ってしまいました。(汗)

It's Just a farewell

今だから話します。すごい裏話です。

「カタハネ」の本編の製作がすごく佳境に入っていて、
EDの仕様をお訊ねしたのですが返信がいただけず大汗をかき、
納期を目の前にどうしたもんかと頭を悩ませて、
「舞台に立っているアンを遠く観客の中に混じってそっと見つめているニコラ」
の視点で書いた歌詞なんです。実は。
努力して夢が叶ったアン、
それを遠くからずっと心の中で応援し見守ってきたニコラ。
巣立っていくアンを、
寂しい気持ちを抱えながらもそっと背中を押して笑顔で別れを告げる。
そういうことをいろいろと頭の中で妄想しながら書きました。

そんなかんじに聞こえませんか…?

本当に「さよなら」の歌になってしまうなんてそのときにはまさか思いもしませんでした。

でも、「さよなら」の歌なんだけど涙ではなく笑顔で、
しあわせなお別れを…という歌です。
次へ進むための、さよなら。
大切なことかもしれません。

Inliyor

タイトルは、実はコードネームです。
仮題をつけていたらそのまま本当のタイトルになってしまったいわくつき。
だから誰も読み方が分かりません。(わたしも)
たしかトルコ語だったと思うんですが
ちょっと走り書きしただけだったのでよく分からないのです…嗚呼。
本当は「Dawn」と変更しようと思ってました。

でもいいかー、これはこれで不思議なかんじで。(おい)

最終的によければそれですべてよしなんです。結果オーライ。
適当なことやってるなーというように見えてしまうかもしれませんが
全体としてよければ一番それが大切なのです。わたしにとって。
なにもかもをガチガチと決め込んでしまわずに流れの中で決まることもあったり。
そういうゆるやかなインスピレーションも大切なんだと最近思うようになりました。
こどものころはとかく頭の固い子で融通がきかなかったんですよ(汗)

今回ベースが打ち込みから楽器演奏へ変更されているそうですよ。

歌詞としては非常に早くから方向が見えていて、
CVの収録時からつぎはぎの状態で頭に浮かんでいたものを
そのままきれいに整頓したらこうなった、という感じです。
音に民族的な雰囲気があるようでないのは(ヨ)氏のさじ加減だと思います。
ライブテイクとはまた違った、
本来のかたちの「Inliyor」をぜひ、じっくり、聴いていただければと思います。

できれば寝台列車で、夜明けに車窓を眺めながら聴いていただければ嬉しいです。