メディカルスクール報告書を正式決定−四病協
日本精神科病院協会(日精協)など4つの病院団体で構成する四病院団体協議会(四病協)が、四大卒者(学士)を対象に医学教育を提供する「メディカルスクール」創設を提言する報告書の内容が、12月2日までに明らかになった。四病協では、報告書の発表会を来年1月22日、東京・永田町の星稜会館で開催する。
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報告書によると、メディカルスクールは学士の中から「良き臨床医になりたいという強い意欲」と「一定レベル以上の学力」のある人を選抜し、4年間の医学教育を行う大学院レベルの医師養成機関。卒後臨床研修で高い評価を受けている病院を母体にし、北米のメディカルスクールのカリキュラムを参考にした質の高いカリキュラムを採用する。
メディカルスクールは、米国に126校、カナダに18校あり、高卒後6年間の医学教育課程を併設しているケースや、3年間で卒業できる課程もあるなど、カリキュラムの柔軟性が認められるという。
報告書では、日本でメディカルスクールを創設した場合のメリットとして、「医師になることに強く動機付けされた学生が多くなり、より優れた臨床医が養成される可能性が高くなる」「大学(少なくとも4年間)で医学以外の学問(科学、人文科学)に触れ、既に幅広い教養が身に付いている者が入学する」「22歳以降に入学することから、人間的に成熟している学生(より「おとな」の学生)を対象に教育することが可能となる」−などを列挙。
創設には医師法や学校教育法の改正を伴うため、医療関係者や国民の支持を得る必要があるとしている。
四病協では、日精協が呼び掛けて昨年12月、各団体の幹部や外部有識者らが参加する「メディカルスクール検討委員会」で検討を開始した。今年4月には、シンガポール政府が資金拠出して開設した米デューク大学シンガポール校を視察。11月26日の四病協の総合部会で報告書の内容を正式に決めた。
1月22日の発表会では、中田力・新潟大脳研究所統合脳機能研究センター長が基調講演する。また、シンポジウム「医育制度としてのメディカルスクール(仮題)」が開かれ、中田氏や西澤寛俊・全日本病院協会会長、本田宏・済生会栗橋病院副院長ら報告書取りまとめに携わった5人がパネラーとして参加する。
更新:2008/12/02 15:20 キャリアブレイン
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