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2008年12月2日(火) 東奥日報 ニュース


■ 産科医不足で広がる「院内助産」

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 産科医不足が叫ばれる中、病院内で助産師が正常分娩(ぶんべん)に対応する「院内助産」を導入する医療機関が県内でも出始めた。本年度、八戸市民病院に続いて、十和田中央病院が院内助産に特化して分娩を再開。「医師の負担軽減につながり、助産師の力を生かせる」と期待されるほか、「自然分娩を望む妊婦のニーズにこたえられる」と制度のメリットが強調される。ただ、安全性を確保するためには「産科医による十分なバックアップ体制が大前提」との指摘もある。

 「家族みんなで生命の誕生に立ち会えます。感動、達成感を味わえます」。八戸市民病院で院内助産を担当する奈良美保子助産師らは語る。「自然分娩を望む妊婦さんはお産に対して前向きだし、助産師もモチベーションが上がる」

 同病院は今年六月から院内助産システムを整え、八月に一例目を取り上げて以来、十一月中旬現在、五例の助産師介助による通常分娩を扱った。利用者からは「満足した」「産んだという実感がある」という喜びの声が寄せられているという。

 常勤産科医不在によって二〇〇五年四月から産科を休止していた十和田中央病院は、十一月から院内助産をスタート。八戸市民病院から常勤産科医を迎え入れたため、院内助産に特化した産科医療が可能となった。十一月十二日に第一例目を取り上げ、三年半ぶりに院内に赤ちゃんの声が響き渡った。

 「これまで分娩ができず悔しい、さみしいと思ったことはあった。再開できて素直にうれしい」。東智子師長は、妊婦が楽な姿勢をとれるクッションが置かれた畳敷きの助産室「うぶごえ」を見渡した。同病院では来年三月までに約二十件の予約が入っている。

 県内では野辺地病院、七戸病院、弘前市立病院、青森労災病院などが、お産を休止しており、多くの助産師が産科以外の診療科へ配置転換となっている。院内助産は、これら助産師のマンパワーを生かせると注目されている。

 県内には病院から独立した助産所が二カ所あるが、八戸、十和田の院内助産システムは院内の常勤産科医が緊急時に対応するのが特徴だ。日本助産師会県支部の溝江好恵支部長は「助産師の力を生かせるし、母親にとっての環境も良い」と院内助産開設の動きを歓迎。県医療薬務課の担当者は「産科医がいて安全性が確保されることが前提」と話す。

 県立中央病院(青森市)の総合母子医療センターの佐藤秀平センター長は「院内助産は医師の管理や、いざというときの安全性が保障されることが重要。自然なお産を目指すためには、それを支える側も、お産をする方々自身の努力もなお一層必要になることも理解しなければならない」と語った。



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