政府の地方分権改革推進委員会(丹羽宇一郎委員長)は2日、国が法令で自治体を細かく制約する「義務付け・枠付け」に関する勧告案をまとめた。検討対象とした条項の約半数を見直しが必要と判断。8日にまとめる第2次勧告に盛り込む。保育所や老人福祉施設の整備基準などを自治体が自由に決められるようにするもので、権限を失う各府省の抵抗は必至だ。
検討対象としたのは「義務付け・枠付け」を定める482法律の計1万57条項のうち、他条項の準用規定となっている1592条項を除く8465条項。広域的な被害のまん延防止や国際的要請に関する事務などに当たる場合は「義務付け・枠付け」が必要と判断するなどして仕分けた結果、48.2%の4076条項で見直しが必要と指摘した。
具体的には、公営住宅の整備基準、高校の科目選択や単位数の弾力化、病院の基準病床数の見直しなどを挙げた。それぞれについて廃止するか、条例による見直しで対応するかの最終的な取り扱いは、来春の第3次勧告までに検討する。
こうした条項に関して、各府省からはほぼすべてについて「必要」との回答が分権委に寄せられており、今後の調整は難航しそうだ。【石川貴教】
毎日新聞 2008年12月2日 21時05分