尾道市瀬戸田町の広島県立瀬戸田病院の同市への移管協定が2日、締結された。一時は存続が危ぶまれただけに町民の多くは胸をなで下ろした。一方で「これ以上の医療低下は避けて」と診療科の充実を望む声も聞かれた。
50床の同病院は4月から30床を休床とし、現在は常勤の内科医2人の状態が続いている。県立広島病院(広島市南区)から内科医1人が応援に来たこの日は、100人近い患者が訪れた。
待合室にいた同町中野の瀬崎義子さん(80)は「あってくれるだけで心強い」。高根の坂奥登さん(79)は「内科とリハビリテーション科だけになるのは寂しい。外科は三原市まで通うが、橋が架かってからは船便も減った」と複雑な表情だった。
大西毅院長(38)は「これ以上、診療水準が下がらないよう町民の信頼に応えたい」と話した。
【写真説明】多くの町民らが診察を待つ県立瀬戸田病院の待合室
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