阪神の元選手で、現在は同2軍のサブマネジャーを務める萱島大介氏(28)が、競輪選手へ転向する考えであることが1日、明らかになった。プロ野球選手の競輪界への転身は11人目(日本競輪学校調べ)で、阪神の選手では初めてとなる。
現役を引退し、グラウンドの隅から選手の姿を見ているうちに、萱島氏は自問自答を繰り返すようになった。
「1度きりの人生なのに、これでいいのかと。後悔はしたくなかった」
現役時代は50メートル5秒7の俊足がウリだった。ベース1周のタイムでは赤星をも上回る俊足で期待されたが、1軍出場機会のないまま、06年オフに戦力外通告。翌07年からは2軍サブマネジャーに転身した。
だが今年の5月ごろから、勝負の世界で再起したいと考えるようになり、競輪界への転身を決意。この1年は就業後に週3回、トレーニングジムに通い、仕事の合間にも体を動かしていた。
人気下降気味の競輪界では選手発掘のため、今オフのプロ野球トライアウトで競輪学校ブースを設営。入学願書を配布するなど、優秀な選手を獲得しようとスカウト活動にも取り組んでいた。
競輪選手になるためには、日本競輪学校への入学が条件。萱島氏は12月末に実家に戻り、4月の1次試験に備える。「入学が条件だけど、オリンピックも狙いたい」。元虎戦士が、大志を抱いて新たな世界へ飛び込む。