桜井淳所長から京大原子炉実験所のT先生への手紙-旧ソ連タービン・発電機の回転数は1500rpm-
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先日、T先生からチェルノブイリ4号機の事故直前のタービン・発電機の回転数が2500rpmだったとの情報をいただきました。そして、定格回転数は3000rpmとのことでした。
私が国内の数多くのPWRやBWRのタービン建屋内で聞いた1500rpmの回転音と、1993年に訪問したクルスク原子力発電所(モスクワの南西約650km、当時、チェルノブイリ原子力発電所と同型の100万kW級RBMK炉が4基運転中)や1994年に訪問したカリーニン原子力発電所(モスクワから北西約500km、当時、VVER-1000というPWRが2基運転中)のタービン建屋で聞いたタービン・発電機の回転音が同じように聞こえ、旧ソ連製の原子力発電所は、よいところも、悪いところも、みな、規格化されており、チェルノブイリ原子力発電所が特別ということはありえず、もし、倍の高速回転であれば、音に明らかに差異が生じるはずで、と言って、私の耳が悪いということも、記憶違いということも考えられなかったため、訪問時に入手した資料を確認してみました。カリーニン原子力発電所の原子炉やタービン・発電機の詳細情報は私の著書『ロシアの核が危ない!』(TBSブリタニカ、 1995)のpp.82-83に記載されています。それによると、
タービン
型式 K-1000-60/1500-2
メーカー Kharakov Turbines Works
定格出力(MW) 1100
定格回転数(rpm) 1500
発電機
型式 TBB-1000-4y3
メーカー Elektrosila
定格出力(MW) 1000
出力電圧(kV) 24
回転数(rpm) 1500
冷却システム 水-水素
となっています。
よって、私のクルスク原子力発電所とカリーニン原子力発電所の経験から、タービン・発電機の回転数は、1500rpmと考えていますが、さらに、調査してみます(なお、同書には、写真入で、両発電所の技師長相手にやり取りした発電所の技術的特徴も記載されています)。
桜井淳