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流行語大賞 '08/12/2

「あら、そう?」と首をかしげた人もいただろう。今年の新語・流行語大賞に選ばれたのは、アラウンド(約)四十歳を意味する「アラフォー」。テレビドラマで天海祐希さんらが演じたオシャレな女性たちのことである▲バブルの象徴だったディスコのジュリアナで派手に踊りを競った青春。一夜の夢から覚めると、仕事や結婚、子育てといった日常が待っていた。「サブプライム」景気で浮かれた果てに、大不況の影におののく今の世と、どこか重なる▲もう一つの大賞は「グ〜!」。俳優としては鳴かず飛ばず。一から出直し、お笑い芸人でブレークしたエド・はるみさんのギャグだ。同じ「アラフォー」でもアリの歩みといった感じだろうか。北京五輪ソフトボールの「上野の413球」が特別賞になったように女性の頑張りが際立った一年だった▲「蟹工船」を読みふけるのは超貧乏の若者たち。「名ばかり管理職」でさんざん働かされ、「後期高齢者」の年金は記録が改ざんされていた。二代続けて政権を投げ出した首相から「あなたとは違うんです」と言われては腹が立とう▲「アラフォー」世代が夢見た、優雅な生き方のできる世の中が、この先訪れるだろうか。みんなが心から「グ〜!」と言える日が近づいてくればいいのだが。




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