一澤帆布の第2遺言書「無効」 大阪高裁、三男妻の請求認める京都の人気かばん店「一澤帆布工業」が兄弟間で分裂する原因となった相続をめぐる訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は27日、三男の妻の請求を認め、兄弟の父の故一澤信夫前会長の遺言書は偽物で無効と認めた。三男を社長から解任した株主総会の決議も取り消した。 1審京都地裁は請求棄却。三男自身が起こした同様の訴訟は既に最高裁で敗訴が確定している。 2001年に死去した信夫氏には内容の異なる2つの遺言書があり、「従前の遺言書を取り消し、保有する自社株は長男と四男に相続させる」とする、長男が保管していた第2遺言書が本物かどうかが争われた。 判決理由で大和陽一郎裁判長は、第2遺言書で「一沢」の認め印が使われたことに関し「信夫氏は『一澤』の文字に執着しており、極めて不自然」と指摘。信夫氏の要請で三男が社長となっていたことなどから「内容も不自然、不合理で本物と認められない」とした。 その上で、自社株の大部分を三男夫妻に贈与するとの内容で弁護士に預けられていた第1遺言書が依然として有効と指摘した。
【共同通信】
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