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【コラム】今ごろになってオバマ人脈作り?(下)

議員外交は「外交保険」

 米国はシステムの国だ。黒人のオバマ氏が次期大統領に当選したという事実は大変革のように感じられるかもしれないが、それでも政府組織まで革命的に変わることはない。オバマ氏のキャリアは短いため、次期政権を頼もしい人物で構成しようと力を注いでいる印象だ。次期副大統領のバイデン上院議員がそうであるように、安定タイプの人物の名前が数多く挙がっている。だからオバマ新政権といっても、民主党が政権を執るたびに登場した人物たちが従来の米政府組織内で働くという事実を忘れてはいけない。

 もう一つ忘れてならないのは、韓国の政治家たちのワシントン訪問は「評判」を残すということだ。「韓国の議員たちは堂々としていて有能。国益のために言うべきことはしっかりと言う」という声は珍しく、「会っただけで成果を挙げたと宣伝し、大喜びで小躍りしていた」という評判の方が多い。

 ワシントンはうわさ話が多い所だ。世界の国々がワシントンを相手にロビー活動をするのだから、各国の外交力を評価・分析し、比較するのに慣れている。例えば、「韓国の国会議員たちが会おうと言うから、ない時間をなんとか割いて会いに行ったら、会談中ずっと半数が居眠りしていた」という話が広がるのに何日もかからない。米政権の関係者から「日本の政治家は勉強してきているように見えるが、韓国の政治家はほとんどが“他人じゃないんだから、仲良くしよう”という調子だ」と言われたこともある。

 議員外交は重要だ。オバマ氏がいかに素晴らしい大統領になろうとも、最長で8年間しか政権を執れない。だが、米国の議員の中には20-30年も議席を守る人が珍しくない。彼らと誠意を尽くして付き合い、真の知韓派にすることは、任地が変わる外交官よりも国会議員がすべきことだ。そうすれば、政府の関係がギクシャクしたとき、国会が潤滑油になり「外交保険」的な役割を果たすことも可能だ。

 国会議員が外交に、韓米関係に貢献したければ、4年後、8年後、さらにその先を見つめなければならない。目の前のオバマ人脈だけ見ずに、回転ドアを押して行政の外に出る共和党の人々にも気を配るべきだ。そうしなければ数年後、また「あっ、大変だ。新政権にコネがない」と米国詣でをする羽目になる。

企画取材部=姜仁仙(カン・インソン)次長待遇

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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