無罪医師の上告断念へ 割りばし死事故で検察当局東京都杉並区で1999年、割りばしがのどに刺さった保育園児杉野隼三ちゃん=当時(4)=が杏林大病院(東京都三鷹市)での受診後に死亡した事故で、検察当局は2日までに、担当医として業務上過失致死罪に問われ、1、2審で無罪となった根本英樹医師(40)について、上告を断念する方向で検討を始めたもようだ。 憲法違反や判例違反などの上告理由が見当たらないためとみられ、上告期限の4日に最終決定する。無罪が確定する。 医療行為で刑事責任を追及された医師の無罪が確定した事例では、出産後の女性が死亡した「大野病院事件」の今年8月の福島地裁判決がある。 11月20日の東京高裁判決によると、隼三ちゃんは99年7月、盆踊り大会会場で転倒、綿菓子の割りばしがのどを貫き、脳に刺さった。耳鼻咽喉科の当直だった根本医師は傷口に消毒薬を塗り帰宅させたが、隼三ちゃんは翌日、死亡した。 司法解剖で頭蓋(ずがい)内に7センチ余の割りばしが見つかり、東京地検は医療ミスが死亡の原因とみて根本医師を在宅起訴した。 1審判決は、医療ミスを認めた上で死亡との因果関係を否定して無罪と判断。高裁判決は診察上の過失も否定した。 両親が根本医師らに賠償を求めた民事訴訟でも、東京地裁判決は過失を認めず請求を棄却した。
【共同通信】
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