カフェインは「眠気覚まし」や気分をすっきりさせるためにはとっても手軽で安全な物質です.でも,どんな物質も摂りすぎるといろいろな不都合が出てきます.カフェインはいろいろなものに含まれていますから,知らないうちに摂りすぎていることがあるかも知れません.カフェインをうまく使うために参考になればと思い,情報を並べてみました.
物質:カフェインはテオフィリン,テオブロミン等と共にコーヒーなどに含まれる物質です.薬理作用としては中枢興奮作用,強心作用,気管支拡張作用,利尿作用等があります.これらの物質の中でカフェインが最も強い中枢興奮作用を持っています.末梢の血管は拡張しますが,脳の血管は収縮させます.これによって頭痛にも効きます.
作用機構はホスホジエステラーゼという酵素を阻害して働きます.その点,バイアグラの仲間と言えます.ただ,ホスホジエステラーゼにもいろいろな種類があって,阻害されるくすりが異なったり,効く場所が違ったりしています.
カフェインの含量は
コーヒー1杯に100〜150 mg
お茶1杯に50〜75 mg
コーラ1杯に30〜50 mg
だそうです.煎れ方などによって大きく変動します.
その他,鎮痛剤,かぜ薬, ドリンク剤,チョコレート,ガム,ココアなどにも含まれています.
それではどのぐらい摂取すると副作用があらわれてくるのでしょうか?もっとも,かなり個人差があるようですが.
急性症状:
1日250 mgから
神経過敏,興奮,睡眠障害,顔面紅潮,利尿および悪心, 嘔吐などの胃腸症状
1日1000 mgから
筋肉の不随意のれん縮,不整脈,精神活動高揚,多弁,
それ以上(カフェイン症)
耳鳴り,閃光などの感覚障害
カフェインをのみ続け,カフェインがきれてくると頭痛を経験するようになります.
「退薬性の頭痛」と言うそうです.
「退薬性の頭痛」を示す人の摂取量1日平均616 mgだそうです.これも個人差が大きいようです.
医療用のカフェイン(用量は1回0.1〜0.3 g 1日2〜3回)を常用すると射程距離に入りそうですね.
続けていると効きにくくなる性質,「耐性」は利尿,血管収縮に見られるが,中枢作用には見られないそうです.
併用によって,睡眠薬などの効きが悪くなるかもしれません.
参考図書:「薬物依存」 富里勝政著 岩波新書
99.7.16
99.8.6
・カフェインが放射線障害による障害の防止に有効,インドのからの報告.6/24共同
・カフェインは体内の脂肪の燃焼を促進するそうです.