宮古市は1日、常勤医師の不在で外来診療を取りやめている県立宮古病院(菅野千治病院長)の循環器科に対し、同市の新里診療所から医師を週1回派遣すると発表した。外来診療は再開できないが、救急患者や入院患者の現行診療を応援する。診療所から県立病院への医師派遣は県内では珍しいという。
宮古病院の循環器科は、常勤医師4人の退職で昨年7月に休診に追い込まれた。このため県立中央病院と、国の緊急臨時的医師派遣事業に基づく済生会横浜市東部病院からの派遣医師により週3日、救急患者と入院患者に限り診療。東部病院の医師は昨年11月に契約期間が終了後も自主的に応援診療を継続しているという。
派遣するのは新里診療所長の盛合直樹医師。宮古市出身で地域医療に熱意を燃やし、県立病院を退職し5月から所長に就任した。派遣は24日からの毎週水曜日。これで火曜日を除き、月曜日から金曜日まで週4日に診療体制が拡充できるとしている。【鬼山親芳】
毎日新聞 2008年12月2日 地方版