仕事と子育てが両立できる職場づくりを広めることを狙いに、企業トップに両立支援に向けた自社の取り組みを宣誓してもらう県の「社員の子育て応援宣言!」登録制度で1日、岡谷市、下諏訪町の4社が新たに登録された。各社のトップは、出産や育児で退職した社員の再雇用を進めたり、ノー残業デーの促進などを宣言。南信労政事務所から知事名の登録証を受けた。南信地方にある企業の登録は初となる。
登録されたのは、岡谷市の信越ハーネス(湖畔2)、マルヤス機械(成田町2)、マルゴ工業(長地権現町4)と下諏訪町北四王のイングスシナノ。
それぞれ3項目の宣言を盛り込み、育児介護休業法などで定めた義務を拡充。学校などの行事参加のため、有給休暇のほかに、「子育てお役立ち休暇」とする年3日の特別休暇を設けたり、就学前の子を持つ社員を対象に、短時間勤務制度の一層の利用に取り組むことなどを誓った。
県は、少子高齢化が進んで将来の労働力人口が懸念されたり、仕事をしながら安心して出産・育児ができる環境が求められる中、2007年度に登録制度を導入した。宣言の内容や企業名は県ホームページに掲載。企業側にとっても好感度の向上、優秀な人材の確保につながるといった利点があるとし、登録企業の増加を目指している。
1日は同事務所の三石真所長と丸山裕之・諏訪分室長が各社を訪れた。信越ハーネスでは、三石所長が「2030年には労働力人口が15%減るとされ、家庭にいる女性の労働参加が重要になる。体制の整備に感謝したい」と登録証を交付。望月久代社長は「社員が休みやすくなる規則を検討していた。父さんも母さんも働きやすい会社を目指したい」と決意を語った。
県全体の登録は同日付で9社増え21社となった。登録企業は、商工中金が6月に創設した「ながの仕事と子育て両立支援ローン」の対象にもなり、事業に必要な設備資金や運転資金の融資に優遇金利が適用される。