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【社説】11月輸出18%減、韓国経済の動力は失われたか

 11月の輸出が292億6000万ドル(約2兆7300億円)を記録し、昨年11月に比べると18.3%も減少した。輸出が2けたの減少となったのは、情報技術(IT)バブル崩壊で先進国経済が不振に陥った2002年2月のマイナス17.5%以来のことだ。輸出額も昨年9月に293億ドル(約2兆7400億円)を記録して以来、14カ月ぶりに200億ドル(約1兆8700億円)台へと落ち込んだ。ただし輸入も14.6%減少したため、貿易収支は2億9000万ドル(約270億円)の黒字を記録した。

 世界的な金融危機が実体経済の不振へとつながったことで、米国、欧州連合(EU)、日本の経済がそれぞれマイナス成長を記録し、市場そのものが縮小する状況の中では、輸出の伸び悩みは避けられないことだ。そうだとしても輸出の頭打ちが予想以上に早い時期に到来し、またその下げ幅も予想以上に大きいのはやはり気になる。輸出は今年に入って9月まで引き続き20%以上の増加率を記録していたが、10月には8.5%に落ち込み、11月にはマイナス18%と減少に転じてしまったのだ。

 韓国政府は当初12月末かあるいは来年以降になってから輸出に問題が生じるのではないかと予想していた。ところが実際はその時期が予想以上に早く到来した。国際通貨基金(IMF)が10月初めに発表した世界経済予測をわずか1カ月で下方修正しなければならないほど、世界の景気悪化のペースが早いからだ。そのため今では海外のバイヤーたちが突然注文を取り消したり、あるいは船積みを遅らせたりすることも珍しくない。ひどい場合には、輸出品が現地の港で通関を終えてから引き取りを拒否するケースも相次いでいる。

 来年の先行きはさらに暗い。国内外のほとんどのシンクタンクは、来年の輸出増加率が3%を超えるのは難しいと予想している。むしろ今年に比べて減少するとの予測さえある。輸出で成り立ってきた韓国経済にとって非常事態が発生したということだ。輸出が崩壊すれば国内景気もさらに悪化し、それだけ回復も遅れるしかない。政府と企業が輸出促進の覚悟を決め、力を集中しなければならない時を迎えているのだ。

 今急がれるのは輸出企業に対する貿易金融の支援だ。政府と韓国銀行は先月中小企業に対する160億ドル(約1兆4900億円)規模の貿易金融支援計画を発表したが、その後も輸出企業の資金難は解消していない。韓国銀行が準備した100億ドル(約9330億円)に対しても、銀行は融資の申請を行っていないからだ。外貨建て融資を申請することで、何か問題のある銀行とみられることを嫌っているというわけだ。企業が輸出の注文を受けても貿易金融の支援が受けられず、輸出をあきらめるようなことだけは避けなければならない。今後は新たな輸出市場開拓のためにも、貿易金融などの輸出支援システムからしっかりと機能させる必要がある。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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