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【公教育を問う】(1)教育委員会はいらない 変わらぬ無責任体制 (2/3ページ)
このニュースのトピックス:いじめ問題
いじめ自殺などを隠そうとする教育委員会の体質は変わっていない。いじめ問題に取り組むNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」(川崎市)の理事、小森美登里さんは、「子供たちの命を守る権限はどこにあるのか疑問だ」と話す。
小森さん自身、平成10年に当時、高校1年の長女、香澄さんをいじめによる自殺で亡くした。最近もいじめの被害者の親からの相談は学校での出来事を明らかにしようとしない学校や教委への不信がほとんどだという。
小森さんは「子供を亡くした親は、わが子に何があったか、事実と子供の痛みをせめて知りたい」という。だが同級生が書いた追悼文を学校が破棄した例もある。「学校や教育委員会はなかった状況をつくるために必死になっている。それでは再発防止の対策をたてられない。情報を共有し、子供たちの命を地域でしっかり守る体制をつくってほしい」と話す。
2年前、福岡県筑前町でいじめを苦に自殺した中学2年の森啓祐君の母、美加さんも「学校で何が起きたのか事実が分かることが子供たちを守る一つの方法だと思っている。遺族だけでなく、親は誰でも学校で何が起きているのか知りたいはず。学校側がどう対応したのかスムーズに分かるシステムをつくっていただきたい」と話す。
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