【社説】駐日大使は軽い気持ちで務められる地位ではない
権哲賢(クォン・チョルヒョン)駐日韓国大使が最近周囲に対し、「ソウルで仕事する機会が与えられれば断る理由はない」「ここは自分がいるべき場所ではない」などと口にしている事実が報じられた。権大使は先週、「個人的な事情」のために一時帰国し、大統領府や外交通商部の関係者に会ったという。与党の内外からは、国会議員に3回当選したことのある権大使は次の閣僚人事で長官の地位を臨んでいるとか、あるいは2010年5月に行われる釜山市長選挙に出馬する問題について調整しているとの話も聞かれる。
権大使は今年4月の総選挙でハンナラ党の公認を受けることができず、結果的に出馬できなかった人物だ。その権大使が長官の地位や政治活動の再開を臨んでいるとかいう話は、あくまで本人の問題のため、周りがどうこう言えることではない。問題はそのような考えを外部に漏らすような人物が、大使としての職務に集中できるのかという点だ。
米国発の経済危機が世界に影響を及ぼしている今の時期、韓日関係は以前にも増して重要な問題となっている。日本の外貨準備高は10月現在で9959億ドル(約93兆円)を記録し、中国に続いて世界第2位だ。今年7月に日本の歴史教科書歪曲(わいきょく)問題が起こった時に韓国政府が問題を早期に収拾させたことや、日本との通貨スワップ協定を締結するために力を注いでいるのも、すべてが日本の経済力に注目しているからだ。つまり今は日本の政界や財界の人物に会うのに1分1秒も無駄にすべき時ではないのだ。そのような役割を先頭に立って果たすべき駐日大使が、「自分はここにいるべき人間ではない」などと言って回るとすれば、日本側はどのように考えるだろうか。
権大使は今年7月に一時帰国した際にも、公開の席で「(教科書問題の原因の一つは)日本の島国根性だ」などと、およそ外交官とは思えないような発言を行い、問題となった。このようなことが重なってことで、権大使に対する日本側の態度も目にみえて冷たくなっているという。権大使が駐日大使としての仕事に集中できない状況にあるのなら、代わりの人物を送るのを遅らせるべきではない。
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