きょうから師走。早い夕暮れ、赤や青にライトアップされた街を歩けば、年の瀬を実感する。「今年の○○」といった二〇〇八年を振り返るニュースも目立ってきた。
先週、今年の「話題・注目商品ランキング」と「ヒット商品番付」が相次いで発表された。ブランド商品が安く買えるアウトレットモールやコントローラーで遊ぶ新感覚のテレビゲームが、ともに上位に入った。割安な商品や室内でできる手軽な楽しみに関心が集まったようだ。
実は、番付の方で横綱は「該当なし」だった。調査した金融コンサルティング会社によると、社会にインパクトを与える実力と人気を併せ持った大ヒット商品が見当たらなかったという。
消費の低迷を反映した結果といえそうだ。もっともモノが行き渡り、少子高齢化が進む中では、大幅な消費の伸びは期待できない。特に今年は食料品を中心にした物価の上昇や、ガソリン価格の急騰が家計を圧迫した。
年末商戦はこれからがヤマ場だ。歳暮シーズンに続き、クリスマスや正月を控えて、小売業界も販売攻勢にしのぎを削っている。
しかし、景気の悪化は消費への意欲を一段と冷え込ませているようだ。商店街のきらびやかなイルミネーションにはホッとするものの、財布のひもは、どれだけ緩むだろうか。