
しいくいん
「なあ松浦よお」
「その前にどうしたんですかその顔」
「犬に引っ掻かれて」
「あのバカでかい犬ですか?」
「いや自分ちの」
「飼ってたんですか?」
「まあ実はな」
「飼ってるのに触れないんですか?」
「触れるよ!触れなくなんかないよ!触らせてくれないんだよ!」
「懐いてないんですね」
「うるさい」
「その腕は」
「犬に噛まれて」
「嫌われてるんですか?」
「機嫌が悪かっただけだと思いたい」
「切実ですね」
「まだまだガキんちょの癖に」
「バカにされてるんですね」
「だまれ。話を聞けよ」
「はいはいなんですか」
「ヨシザワさん動物園の飼育員さんになろうと思う」
「そんだけ嫌われてるのに?」
「うるさいな、犬が全てじゃないだろう。つーかお前は動物園で犬を見たことがあるのか?」
「そー言えばないですね」
「だろう?だから安心安全モウマンタイ」
「ちょっとわからないです」
「動物園と言えば!休日ともなれば園内には家族連れやカップルが溢れる家族団欒やデートには欠かせない最高のプレイス!」
「今日日デートで動物園とかなしですよね」
「うるさい!それに!動物園と言えば!ライオンにチーターにジャガーにヒョウだ!かっけーだろ!」
「猛禽類のみ?それ確実犬より危険ですよね」
「あはーカッケーなぁ。なぁ、やっぱ藤本ミキティにわんころは似合わないよ、タイガーだタイガー、虎だよ!ヨシザワさん虎を推すよ」
「はいはい。一度頭噛んでもらったらどうですか」
「ふっふーん、カッケー虎を飼育するカッケーヨシザワさんに藤本ミキティはノックアウトされちゃって、これまたヨシザワさんに飼育されちゃうんだ!」
「ヨシザワさん虎の餌になればいいのに」
「うふふふふー善は急げだよ、早速お出掛けの準備しなくちゃ!」
「おっす」
「あ、みきたん」
「お、ミキティ!ミキティも一緒に行く?」
「え、何処に?」
「ふっじーさふぁりぱぁ〜く!」
「ごめんパス」
「動物園じゃないんだ」
「なぁんだ、じゃあヨシザワさん一人で行っちゃうもんね!アディオース!」
「どしたのよっちゃん凄く楽しそうだったけど」
「さあね。放っておいていいよ」
「そう?じゃあ放っておこう」
「うん、そーいや明日休みだよね、どっか行く?」
「えーどっちかってと美貴引きこもりたいし」
「そ、じゃあなんかDVD借りてこっか」
「レオがいい!レオ!」
「はいはいじゃんぐる大帝ね」
「やった!その後はシンバね!」
「はいはいらいおんきんぐね」
「んふーやっぱライオンだよねー」
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