りょうし



「なあ松浦よお」

「なんですか?」

「この度わたくしヨシザワは漁師さんになろうと思うのだが」

「ラーメン屋さんはどうしたんですか?」

「辞めてやった」

「バイトまだ一週間もしてないですよね?」

「だって時給安いんだもん」

「まあラーメン屋のバイトなんてたかが知れてますからね」

「それによく考えたらバイトとかしてる時間ないし」

「ここでグダグダする時間は沢山あるのに」

「うるさいな、水出そうとしたらお客さんにかけちゃって喧嘩になってクビだよ嬉しいか?」

「本当にお水も出せなかったんですね」

「あまり思い出させるなよ」

「お疲れさまでした」

「うむ」

「・・・」

「・・・」

「・・・それでなんで漁師なんですか?」

「カッケーだろ、一本釣り」

「どうですかね」

「きっと藤本ミキティはカッケーのが好きだと思うんだ、だからヨシザワさんいっちょマグロを釣り上げようと思って」

「そんな軽いキモチで釣り上げられたら楽ですよね」

「巨大なマグロを血まみれになりながら捌くんだ、カッコいいぜ」

「怖いですよ」

「寿司も刺身も全部ミキティのものだ。ついでにヨシザワさんもあげちゃうんだ。
あ、先に言っとくけどお前の分はこれっぽっちもないからな」

「って言うか寧ろ出されたとしても突き返しますんで大丈夫ですぅ」

「ふふん、素直じゃないな。それじゃあちょっくら行ってくるか」

「なんていうか無駄に行動力ありますよね。あ、ミキたん」

「亜弥ちゃん。とよっちゃん。何してるの?」

「お、ミキティ。いやー楽しみにしといてよ、寿司も刺身も食い放題!お腹空かせて待っとけよ!」




「なぁに?アレ。寿司とか刺身とか」

「さあねぇ。たんお魚好き?」

「どっちかってと肉かな」

「だよね。今日ママと焼き肉行くの。一緒に行く?」

「行く行く!いいの?」

「たんならいつでもオッケーだよ。じゃあ今日は焼き肉ね」

「やった!いただきます!」











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