
すーぱーいりゅーじょん
「なあ松浦よお」
「なんですか?」
「この度わたくしヨシザワは・・・」
「?」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・何目指すんですか?」
「知りたいか?」
「はいはい知りたいです」
「しょーがないな!この度わたくしヨシザワさんはマジシャンを目指そうと思うのだよ!」
「頑張ってくださいね」
「なぜなら!あの藤本ミキティはマジックを見るのが好きなんだそうだ」
「まあ大抵の人が嫌いじゃないとは思いますけどね」
「そこでヨシザワさんがマジシャンになるわけだ。ミキティの目の前であんなものやこんなものや消したりさせちゃうわけだ」
「ヨシザワさんが消えると私凄くワクワクするな」
「ばか野郎、お前のためにマジックなんかしないよ。ええとなんだっけな、そう、ミキティの前でマジックを披露するヨシザワさんだ。
するとどうだ、ミキティのハートはいつの間にかヨシザワさんのものだ。もちろん、種も仕掛けも一切ありません!」
「・・・キモチワルイ」
「ははん、羨ましいんだろ?でも、残念だけどヨシザワさん、お前に見せるマジックはないしお前のハートもノーサンキューなんだ」
「んふ、私もいらないですぅ」
「あー、何がいいかなぁ?なぁ、何がいいと思う?」
「何がですか?」
「一番始めに披露するマジックだよ。カードやらなんやらいっぱいあるだろ?」
「鳩でも出しとけばいいんじゃないですか?」
「お前・・・」
「いい事言いました?」
「案外お子ちゃまだな」
「て、適当に言っただけです!何か消すのがいいと思います!そうだな、例えば、あ、ミキたん」
「よ、亜弥ちゃん。とよっちゃん」
「ほらヨシザワさんチャンスチャンス」
「え?なに?」
「いいからいいから。マジック披露しましょ」
「え、でもヨシザワさんまだ何も出来ないよ?」
「私が出来るからいいんです」
「ね、何してんの?」
「ん?ちょっと待っててね。あ、ミキたん、そこにあるタオルちょっと取ってもらっていい?」
「はいよ」
「おい松浦何すんだっていうか何でお前がマジシャンなんだマジシャンは私だぞ」
「いいから黙って大人しくしててください」
「ねー亜弥ちゃーん何してんのー」
「はいはいお待たせ。じゃ、行くよ?アヤ・マツウラのスーパーイリュージョンショー」
「いぇーい」
「黙って」
「何々?マジックショー?」
「スーパーイリュージョンショー。いいですか?今から、ここにいるこの人、ヨシザワさんですね。ミキたんの目の前からなんと!消えちゃいます」
「おいおいそんな事できるのか?」
「いいから黙れ」
「えー凄い凄いマジで?」
「いいですか?このタオル。ヨシザワさんの前で振ります。そして三つ数えると消えちゃうんですね」
「おいマジかよ凄いな」
「シャラップ」
「えーすごーい。ホントに?」
「さぁ、行きますよ?いーち。にーい。さぁー・・・んっとそりゃああっ!!」
「ね、亜弥ちゃん投げたよね?」
「たん、それは幻覚だよ」
「いやいやめっちゃしっかり腰入れてたもん、いつの間にそんな投げ技覚えたの」
「たん、言ったでしょ?スーパーイリュージョンなの。こんなか弱い私があんなバカでかい人間投げるなんて、たん、それは幻覚だよ。」
「はっは、それはまぁそうだね」
「それにヨシザワさんは目の前からちゃんと消えたでしょう?」
「そうね、そのスーパー?イリュージョンでね。てかタオルはなんだったの?」
「雰囲気だよふんいき」
「あー雰囲気大事だもんね。よっちゃん大丈夫かな?」
「あの人は多分何しても生きてるよ」
「スーパーイリュージョン?」
「そ、スーパーイリュージョン」
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