へこむ2



「なあ松浦よお」

「なんですか?」

「この度わたくしヨシザワは」

「その前に一ついいですか?」

「むぅ、しょうがないな。なんだ?」

「朝からずっと思ってたんですけど、どうしたんですか?その頭」

「・・・だって誰も練習台になってくれなかったんだもん・・・」

「まあ、なんと言うか、全部引っくるめてご愁傷さまでした」

「それに見てよこの指!ヨシザワさん痛いの嫌いなんだよ・・・」

「あらあら。ピンポイントに同じ箇所。しかも今度はハサミで切るなんて、まあ、ある意味器用ではありますね」

「せっかく治りかけてたのに」

「バカですね」

「だから美容師は無しだよ・・・楽しいトークもミキティのサラサラヘアーとも永久にお別れさ・・・」

「なんか今日気持ち悪いですね、頭も含めて」

「なんだろう、今日はヨシザワさん凄く打たれ弱いよ」

「はいはい。で、なんでした?」

「えっと、なんだっけな。なんか目指そうと思ってたんだけど」

「忘れたんですか?」

「どうやらそのようだ」

「じゃあ私片付けがありますんでこれで」

「ああん待って一人にしないで」

「ねえ、今日ほんとキモチワルイですよ?」

「今日のお前は本当に冷たいよ」

「素直って言って下さい」

「ヨシザワさんは悲しいよ、可愛かった後輩がいつのまにか氷の女だ」

「可愛かった、って過去形ですよ?」

「ショックだよ。泣いちゃうよ」

「・・・キモチワルイ」

「あれ?亜弥ちゃん。とよっちゃん」

「あ、ミキたん」

「どうしたの?喧嘩?」

「まさか。ヨシザワさん今日キモチワルイですねって言ったら泣いちゃったの」

「・・・聞こえてるぞ。泣いてないぞ。泣き真似だ」

「・・・よっちゃん、その頭」

「あ、気付いた?凄いだろコレ自分で」

「クラスでイジメられてるの?」

「は?は、はは・・・美容院、行かなきゃ・・・予約、してたんだ、あはは・・・」






「どうしたのよっちゃん?酷いのかな、イジメ」

「んーどっちかってと、たんの方が酷いんじゃないかな?」

「え、何それ。どーゆー事?」

「まぁどうでもいいよ。さ、帰ろ」

「そだね。でもさ」

「なに?」

「よっちゃんのあの頭、ちょっと可愛かったね」

「にゃは、やっぱたん酷いや」











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