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事例データベース

日経情報ストラテジー

業界:食料品・飲料品  事例分野:コンテンツ編集・管理・配信  導入時期:2006年 4月
業種 キリン ヤクルト ネクストステージ
「男性お断り」のブログ販促で成果
ダイエット支援の「リエータカフェ」


リエータカフェの運営にかかわるキリン ヤクルト ネクストステージ社マーケティング部ブランド担当の中川紅子氏
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 健康食品メーカーのキリン ヤクルト ネクストステージ(東京・江東区)が運営するブログサービス「リエータカフェ」が会員層の拡大を続けている。ダイエットを支援する健康食品「リエータ」のサポートサイトとして2005年4月に開設され、企業が販促目的で運営するブログの草分けとして知られている。開設から2年が経過したが、ブログを持つ会員数は約2万人に達した。

 リエータは、食事の代替として水や湯に溶かして飲む低カロリー食品で、メロンやストロベリーなど17種類のバリエーションがある。「リエータカフェは、商品(リエータ)を直接売るためのサービスではなく、ファンを作るためのサービス」(マーケティング部ブランド担当の中川紅子氏)。実際にリエータカフェでは、購入者同士の活発なコミュニケーションが行われている。

体重や食生活を公開して励まし合う

 1日当たりのブログの書き込み数は、冬場で800〜1000件程度だが、「女性が薄着になるシーズンの前には伸びる」(中川氏)といい、4〜6月には冬場の倍の書き込み数になる。コメントやトラックバックなどブログの標準的な機能のほかに、日々の体重や体脂肪率を入力してグラフで公開する機能がある。体重の入力は任意だが、リエータカフェで日記を書き込む人の半数以上は体重も入力している。目標の体重を宣言して自らの動機付けにつなげている人も多い。

 企業が運営するブログは時間の経過につれて沈滞するケースが少なくない。リエータカフェで活発にコミュニケーションが行われているのは「ダイエットをしたいという会員の目的意識が明確で、互いに励まし合う空気がある」(中川氏)からだという。リエータカフェでは、ダイエットの挫折につながりやすい「孤独感」を和らげることを狙っている。「普通の食品やし好品ではこうした要素がないので同様のブログサービスは成立しにくいだろう」(同)

 会員は匿名で登録できるが、会員資格はダイエットに関心がある女性に限定している。入力された体重データや書き込みの文体などから、ある会員が男性であることが発覚して、強制退会措置を取ったこともあるという。目的を共有した同性が集まっているという意識を安心感につなげる。目標の体重を達成したらリエータカフェを去る会員も少なくないという。

 リエータカフェでは、その日食べたものなどを書き込んでいる人が多い。「○○だけを食べ続けるダイエット」といったマスコミで紹介されるような極端なダイエットを試している人がいれば、ほかの会員が「それは間違っている」と指摘したりする。体重のグラフが増え続けている会員には、ほかの会員が心配するコメントを書き込む、といったやり取りもある。プロの栄養士がブログでダイエットのコツを解説するコンテンツも用意しており、特定の会員を選んで「この日の食事のとり方は理想的」といった形でアドバイスをしたりもしている。

 ブログに書き込まれる生の声は商品開発にも生かす。リエータカフェで、チョコレート味の製品への要望が強かったため、新規に投入。新しい味の製品を発売したときにも、「おいしかった」「この味はちょっと苦手」といった反響がすぐに書き込まれるという。

(清嶋 直樹=日経情報ストラテジー)  [2007/05/23]
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