【ソウル=島谷英明】韓国の輸出が急減している。知識経済省が1日発表した11月の貿易統計(速報ベース)では輸出が292億ドル(約2兆7000億円)と前年同月比18.3%減少した。マイナスは2007年9月以来1年2カ月ぶり。輸出の失速は、韓国経済の下振れ要因になりそうだ。
知識経済省によると、輸出減少率が2ケタになったのはIT(情報技術)バブル崩壊の影響で17.5%減った02年2月以来。米金融危機に端を発した世界的な景気減速で需要が縮小しており、韓国企業がウォン安メリットを生かせていない現状が浮き彫りになった。
地域別では最大の貿易相手国である中国向けが同27.8%減となったのをはじめ、米国や日本向けが縮小。半面、中東向けは大規模プラントの建設などに伴う輸出が伸び、同3割増となった。業種別では船舶が同35%伸びたが、自動車や半導体、無線通信機器は軒並み大幅に減少した。
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