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歌舞伎:菊五郎が金四郎と悪党の2役 「遠山桜天保日記」を上演

 ◇「痛快な歌舞伎にしたい」

 尾上菊五郎が名奉行の遠山金四郎と悪党の生田角太夫の2役を演じる「遠山桜天保日記」(竹柴其水作、菊五郎監修)が、3日から東京・国立劇場で上演される。

 角太夫、天学(尾上松緑)、小吉(尾上菊之助)の兄弟分3人の悪党ぶりと、旗本の道楽息子だった金四郎が町奉行に就任してから活躍する姿を描く。菊五郎は「12月ですし、肩のこらない痛快な歌舞伎にしたい」。

 初演は1893年で、初代市川左団次が金四郎と角太夫を演じた。歌舞伎の本興行にかかるのは50年ぶり。原作に手を入れ、より変化をつける予定だ。

 「天学は角太夫に濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)を着せられたことを恨み、復讐(ふくしゅう)を狙っているが、角太夫は気づかない。松緑の天学が大きな役になります」

 角太夫は短筒(たんづつ)(ピストル)を使う強盗だが、もみ療治師に化けて政五郎(市川左団次)の家に入り込むなど変幻自在だ。「天学と組んで佐渡金山から御用金を盗み出したあげく、仲間割れをする。『四千両』(河竹黙阿弥作)のような雰囲気にもなります。菊五郎劇団得意のタテ(立ち回り)も入れます」

 金四郎では、桜吹雪を見せるおなじみの場面をつける。「その場面などで使うテーマ曲も作る予定です」

 国立劇場での菊五郎劇団主体の復活上演は9作目となる。「楽しいですよ。やる度に芝居の新しい引き出しができ、勉強にもなる。いっぺん手がけておけば、後の人の参考にもなりますしね」。26日まで。問い合わせは0570・07・9900へ。【小玉祥子】

毎日新聞 2008年12月1日 東京夕刊

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