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「有罪?無罪?」ゲームで裁判員 DS向けソフト登場

2008年12月1日21時33分

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 全国で裁判員候補者に選ばれたことを知らせる通知が続々と届くなか、ゲーム業界では裁判員制度を取り入れた新商品が登場している。ゲームを通じて疑似体験を、という趣向だ。

 玩具大手の「タカラトミー」(東京都葛飾区)は、最高裁が初めての通知発送を始めた前日の先月27日、任天堂の携帯型ゲーム「ニンテンドーDS」向けのソフトを売り出した。その名も「もしも!?裁判員に選ばれたら…」(5040円、税込み)。「裁判所からあなたあてに1通の封筒が届きました」。こんな場面からゲームは始まる。

 裁判員になるための手続きを経て、起訴状の朗読、検察側・弁護側の冒頭陳述、論告求刑・弁論――。プレーヤーが裁判員役となって、実際の流れを意識してゲームは進む。ゲーム開発者の徳永誠さん(38)は、リアルさを追求するために裁判所が実施した模擬裁判にも参加した。「被告の人生を決める重責を少しでも伝えることができれば」と話す。

 クライマックスは判決の内容を決める評議の場面だ。正義感に燃える意固地な男性会社員。意欲的だが周りに流されやすい主婦。性格の異なる5人の裁判員とともに「質問」「発言」などを選択しながら有罪、無罪を判断し、量刑や執行猶予を決める。

 徳永さんは「流れを事前に理解すれば、実際に裁判員に選ばれても、より裁判に集中できる。ゲームで制度を支えたい」と語る。

 ゲームソフト大手「カプコン」(大阪市中央区)は、昨年出したDS向けソフト「逆転裁判4」(2100円、税込み)に裁判員制度の要素を取り入れた。全シリーズ累計で約320万本の販売実績があり、発売直後から販売数を伸ばしているという。

 ゲーム制作者は「新シリーズでは有罪か無罪かを『考える』ということを投げかけた。裁判員制度導入の影響か分からないが、購入者の年齢層も少し上がっている」と話している。(向井宏樹)

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