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2008/11/21

「お前程度の価値基準で、独自性が有るなんて思っちゃダメ」

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先日六本木ヒルズ内で行われた「東京コンテンツマーケット2008」に 機動戦士ガンダムシリーズの生みの親、”御大将”富野由悠季さんが登場。 トークセッションで「プロフェッショナル・クリエイターの条件」を熱く語った。 ZAKZAKアニメ☆声優では全文を富野節全開の無修正で公開します!

Q.「プロフェッショナルクリエイターの条件」

プロとして活動していくための条件とはどういったものでしょう?
だいたい、その〜、このタイトルつけたのは、タイトルつけないと こういう形がとれないからって言うんで、無理やりつけたんです。
という事はどういう事というと、だってここに集っていらっしゃっている方々は プロフェッショなるクリエイターの条件を基本的に満たしているからここにいらっしゃるワケで、 満たしてない方はここにいらっしゃらないわけですから、いまさら、あの〜 僕みたいなロボットアニメ専門家がグダグダ言うような事は一切ありません。

で、ありませんが いきなり確信に入ります。
そうは言っても、みなさん方の時代は不幸だなと思うのが 特に会場を見させて貰って、やっぱり痛感する事があるのは CGを使う絵、作画、それによった当然アニメーション、実写的な物を含めて、技術論を見たときに だってみんなおんなじソフト使ってやっていれば、独自のものなんて作れるわけないよね?
という風に思うわけです。
でも、おそらく皆さん方はそうは思ってないと思うんです。
隣のブースと私のやっているのとは違うと思っていると思うんです。
だけど、水彩絵の具を使って絵を描いていた時代、とかエンピツを使って、コンテを使って、絵を描いていた時代 油絵の具を使った時に、あれだけ多様な色んな描き方があるのに CGを使ってお絵描きを始めた時に、みんな基本的にほとんど同じじゃない?
質感の違いを誰が突破している?
って言った時に、どっかのソフトウェアメーカーが作ったものを使って その上にペタペタ張り込みやってるだけでしょう。

それから後、キャラクターのコトで言えば だって皆が好きなキャラクターを勝手に作ってさ、じゃあ作ったキャラクターが全部売れるのか?といったら 売れるわけない。
だけど、それでキャラクターを作ったと思ってるなら それはめでたいよねっていう事。

だけど、そういうものはみんなクリエイティブな「アート」だと思っているのはどういう事かというと 今、皆がそういう言葉使いをしているから。
じゃ、それの「言葉遣いをしいるだけだ」という
今の例がわからないならば、もの凄く簡単な言い方をします。
コンテンツ、コンテンツって言いますよね?
作品ってコンテンツが無かったら作品にならないんですよ。
なのになんでわざわざこの10年位、コンテンツっていう言葉を表に出す様になったんだろう?
とってもおかしいよね。
あれ内容って意味なのね。コンテンツ、趣旨って意味。
趣旨とか内容の無い作品とかっていうのがある!?世の中に。
それをコンテンツビジネスって。
ビジネスってコンテンツ、中身が無かったらビジネスになりようが無い。
なのにコンテンツビジネスって言葉が流通しているのか。
コンテンツなんとかかんとかいうのが 僕が関与しているような物があります。
なんでコンテンツという言葉を平気で使えるんだろうか?

というのはあんまり平気だと思えないのは、どういう事かっていうと
皆が慣れていくから。
つまり技術とか言葉ってとても怖い所があって 自分はとても独自な事をやっているつもりでいるんだけど ほとんどコピーよね、マネよね。っていうレベルなんです。
だからそっから抜け出す為にとか、メジャー、え〜プロフェッショナルクリエイター みたいなプロフェッショナルの一番重要な事は
金儲けが出来るか、出来ないか!?だよね。
食えなかったらしょうがないんだから。
食えてナンボのものか!!ってそうなわけでしょう。
だったら食えるようにならないとしょうがないじゃん。

で、その食える為の方法。
どうするか。
時代に振り回されちゃ
時代に振り回されたらダメですよ。
それだけのコトです。
右と左と似たようなじような事やっちゃダメなんだよ。
「いいえ、私には独自性があります」と思っているのは
お前程度の価値基準で、独自性が有るなんて思っちゃダメなんだよ。所詮それはコピーなんだからさ。
だってCGでやってるんだろ?
アニメやってるんだろ?
今アニメなんてのは国でさえも産業になるって ほいほい持ち上げてくれてるんだから、それに乗ってるだけのコトじゃない。
私が40年前、鉄腕アトムのアニメ始めた時に アニメっていう単語で青色申告が出来なかったの。
税務署行った時にこれはどういう職業ですか?って説明しなきゃいけなかったの。
今みんなで行ってるのね。
みんなで行ってるのに寄ってたかっちゃって

つまり1万人の中で一等賞になろうと思ったら大変なの
競争相手が少ししか居なくって、こいつさえ倒せば一等賞だっていう世界 に居たらそれは生き延びられますよ。
だから皆さん方は基本的に生き延びられない所で仕事をやっているから それは大変ですねっていうので同情しますよ。
それだけです。
だから、プロフェッショナルクリエイターになる条件 ってなったら、周りにいる18600人をぶっ倒す!!
で潰す位の力の有る、それこそコンテンツの有るものを作るにはどうしたらいいですか? といったら
いや〜コツコツやるしかないですよ。という事です。

(会場拍手)

PART2へ続く <全4回>


2008/11/21 アニ★ロコ

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