11月29日更新
秋山成勲の再契約の条件とは!? イ・テヒョンが引退!! 韓国格闘技界に吹き荒れる不況の嵐!!
今週も、このコーナーでは韓国格闘技界を読み解くコラム、そして出るのか出ないのかはっきりさせろ!! の秋山成勲情報をお届けします!
■『週刊魔王』更新!! 今週は「秋山がFEGと再契約する最大の条件とは!?」

まずは、秋山情報から! 韓国の気になる記事を紹介!! 11月25日に『スポーツソウル』紙が報じたところによると、「FEGに精通したある関係者は『25日に、秋山側とFEGは再契約の話し合いに突入した』という。秋山が最も重きを置いているのは“対戦指名権”だ。秋山が直接対戦相手を選びたがる理由は、弱い相手を選んで試合をするという汚名を晴らすためだ」という仰天情報を報道! そして怪しい情報減をもとに「今年、秋山がDREAMで復帰してから柴田勝頼、外岡真徳相手に2連勝したが、2人とも格下の相手だった。これはすべて秋山が指名したという話もあったが、それは事実ではないことがわかった」という、なんとも勇み足的な論調を展開させている。
いまでさえ、FEG/DREAM側からは青木真也を含め、何人かの候補を秋山に大晦日の対戦相手をオファーしている状態であり、誰を選ぶのかはすでに秋山次第となっている。秋山がどんな相手と闘いたいかは別として、選手に自分のマッチメイク権を与えるというのは前代未聞のこと。どうやら韓国では秋山かわいさのあまり、信憑性の低い記事が連発されているようだ。
■イ・テヒョン引退! 韓国格闘技界に吹き荒れる不況の嵐!!
韓国ではテレビで世界各国の様々な格闘技が豊富に観られ、格闘技に対して関心の強い国である。しかし、現在その韓国格闘技界が苦境に立たされている。韓国の格闘技ニュースサイトMFIGHTが、11月20日付理記事で韓国格闘技界の現状を報告している。
「現在、韓国格闘技界には寒風が吹き荒れている。選手の上がるリングがないのだ。……原因はPRIDEの崩壊後に訪れた日本格闘技市場の停滞である。かつて日本のMMA団体は知名度の高い韓国アスリート獲得に熱を入れてきたが、現在では日本人選手中心の大会に切り替えている。当然、ファイトマネーの高い韓国人選手をリングに上げるのに慎重にならざるを得ない状況だ。いまでは韓国人選手の試合機会が激減し、引退を考えている選手も少なくない。3〜4年前とは180度状況が変わってしまったのだ」

ここで指摘されているとおり、11月27日には、PRIDEでデビューし、『HERO’S』、DREAMと渡り歩いた韓国相撲横綱のイ・テヒョンが総合格闘技界からの引退を表明している。今後は、韓国相撲界にコーチ兼選手として復帰するという。彼に引退を決意させたのは、体力&技術の向上に限界に加え、2年間で3試合という試合機会の少なさで実力を発揮しなければならない厳しい状況もあったという。
国産格闘技団体も苦しんでいる。とくに最近は、暗い情報ばかりが目につく。10月の大会を延期したスピリットMCは、自社株の数割を保有するプロエリートが崩壊したことで、今後の活動が不安視されている。また、今年になって旗揚げした新格闘技団体KHANも11月に第2回大会開催を画策していたが、内部事情によって断念。さらに、先週開催を報じた韓国のアマチュア総合格闘技大会KPWも11月の大会を「応募選手が少なかった」ことを理由に、来年2月に大会を延期している。国産大会ではないが、FEG KOREAも『Dynamite!! KOREA』の11月開催を断念している。また韓国人ファイターを多く出場させていたMARSの活動停止も、韓国格闘技業界にとっては痛手であった。
こうした格闘技業界の事情は、プロ格闘家への転身を考えるアマチュア選手にも影響を及ぼしている。前述のMFIGHTが伝えたところによると、「韓国柔道界にも、石井慧のように世界大会で優勝経験のある選手がプロ格闘家転向を目指し、今年『戦極』と交渉していたが、金銭面で折り合いがつかず実現しなかった」とも報道されている。
このような状況の中で、唯一明るいニュースというのが、釜山でのバーファイト復活だという。「1ヵ月で60試合を消化する」というこのイベントはかなり危なっかしさを感じさせるが、それでも韓国人ファイターにとっては砂漠の中のオアシスなのだ。11月21日付のMFIGHTの記事でも「現在、低迷する韓国格闘技市場には、選手はいるが出場する大会がないのが現実である。その意味で『コモド・リベンジ』(バーファイト)の登場は、非常に喜ばしい知らせ」と報道されている。
力道山時代から、曲がりなりにも長い時間をかけて“興行文化”を根付かせてきた日本と違い、韓国ではプロレス、韓国相撲といった興行団体はすでに死に体といっていい状況にある。格闘技ビジネスも生まれたばかりで、足元がおぼつかない。現在の韓国はテレビで驚くほどお手軽に格闘技が観られる一方、その視聴者の興味と関心を国内格闘技になかなか活かせていないのだ。K-1韓国大会などはある程度の成功を収めているが、国産の格闘技団体で利益を得ている団体はいまのところ一つもない。韓国に格闘技がしっかりと根を下ろすためには、時間をかけて韓国という土地にあった格闘技のビジネスモデルを模索するしかない。世間の認知度は上がっても、まだまだ韓国人ファイター、韓国格闘技業界には厳しい時代が続きそうだ。