麻生太郎首相は29日、民主党の小沢一郎代表のおひざ元・岩手県を訪れ街頭演説や次期衆院選立候補予定者の激励などをこなした。ただ、小沢氏との党首討論を行った前日と同じく、べらんめえ調の「麻生節」を封印して政策説明に終始したため、やや精彩を欠く印象の遊説となった。
一関市内での街頭演説で首相は「金融機能強化法を提出しているが、この大事な法案に民主党は全く応じてこない。09年度予算も審議して採決してもらいたいと(党首討論で)何度も言った」と改めて民主党の対応を批判した。
小沢氏の出身地である奥州市では、立候補予定者の事務所を訪問。民主党が主張する高速道路料金の無料化に触れ「責任ある政党ならこういうことは言わない。道路の補修やメンテナンスに誰が銭を払うのか」と再び同党を批判した。
その後、首相は同県八幡平市内の養豚場を視察。日程を終え記者団から「敵地」岩手での選挙戦を問われた首相は「残念ながら自民党は1議席しかない。議席を断固死守し、さらに増やしていく」と答えた。【塙和也】
毎日新聞 2008年11月29日 19時44分