■□ Maison deux Montille □■
メゾン ドゥー モンティーユ |
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● 凄いワインを見つけました..。やっぱり血筋は争えないのでしょうか..。旧ドメーヌ・ユベール・ド・モンティーユ
は、当主の引退後、ドメーヌ・ド・モンティーユ と名称変更しました。そして極少々のみ造っている、2002
Puligny Montrachet Cailleret 白 は、IWC で 95点 というハイポイントを獲得しています。
その ド・モンティーユ家が始めたもう一つのワイン事業が Maison Deux Montille
メゾン・ドゥー・モンティーユです。この Deux は 「2つの」という意味です。
そして、初めてのヴィンテージである 2003年を飲んだ
noisy は..ぶっ飛んでしまいました...、こう言っておきましょう..
「シャルドネ・ファンなら必ず手に入れるべきである」 と。
全ての葡萄を優れた畑と栽培技術を持つビオディナミの生産者からのみ購入していますが、ハーヴェスト(収穫)は
ベストのタイミングを 自身で指導しています。しかも、生まれるワインが凄いバラエティ!今回は3アイテムのみで
しかも極少量ですが、是非ともご予算に合わせてご購入ください。ボーヌのシャルドネが持つエレガンス、フィネス、テロワールを余すところ無く感じることが出来ます。後悔は..しないと思いますよ。
と、2003年ファーストリリースの時は書いていました。いや、なかなかに面白いことが有りましたのでちょっと触りだけ..
2003年の時にそれなりに取り扱った性でしょうか、エージェントさんが2004年のサンプル数アイテムをくれると言うので、仲間と一緒にテイスティングしました。もっとも全部戴いたのではなく、何アイテムかは購入させていただいての話です。
そもそもドゥー・モンティーユを扱うことになったのは、ヴァンパッシオンというエージェントさんの立ち上げの時のテイスティング会で、ドゥー・モンティーユの幾つかのキュヴェがとても気に入ったのが始まりです。それが昨年の暑い時期だったと思います。そのときに気に入って購入したのが3アイテムでした。
で、仲間と昨年の3アイテムに加え、エージェントさんの方でチョイスした3アイテム、合計6アイテムをテイスティングしたのですが...何と、結局は2003年と同じアイテムのみを扱うことになったんですね。ん?どこが面白いのか全然判らないって??
いや、ね、ヴィンテージは違えど、結局最終的に選んだキュヴェが同じ、ということは、最初の2003年の時、とても短い時間の中で選択した眼も間違ってはいなかったんだな?と再認識したところが面白いと..ん?..それって、ただちんまいところを何気なく自慢したいだけなんじゃないのって??..かもしれん..(T.T
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●2004Auxey-Duresses la Canee |
オーセ=デュレッス・ラ・カネ |
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【ドゥー・モンティーユのアイテム中、最もリーズナブル且つ特徴的なシャルドネです!】
最初にはっきり言っておきましょう。この「ラ・カネ」と下記の2アイテムの間には、大きな差が有ります。とんでもなく大きな差です。価格はある意味、とても正直です。じゃあ、何でオーセ=デュレッスを紹介するのか..それは、ドゥー・モンティーユのワインを特徴的に良く現し、しかもリーズナブルでソフトな味わいだからです。
オーセ=デュレッスは北からヴォルネイ - モンテリー - オーセ=デュレッスと続いており、ムルソーに比較近い位置に有ります。このラ・カネ は村名のリューディで、味わい的には(単純に言うと)コルトン=シャルルマーニュ 30% に 樽が強くないムルソー を 70%足して、ややフィネスと濃度をマイナスしたような感じです。..判らんよね、これじゃ..
余りローストしていない僅かな樽香、ソフトなミネラル、白桃、黄色い花。ムルソー的なややファットなボディに柔らかな接触感。果実味と酸の絶妙のバランスにピュアなアロマが香ります。何も決して強すぎず不足せず。中心はしっかりしているものの、とても滑らかで頑なな部分は無い。外向的で温かみのある味わい。
とても美しい仕上がりです。とてもドライなんですが、ギスギスしていないし、しっかり膨らみもある。
「あと少し内向的な複雑さが欲しいんだよね」
という不満は残りますが、やっぱりそれを言うなら上級のキュヴェを飲むべきでしょう。ドゥー・モンティーユのスタイリッシュな造りを知るにはとても良いワインだと思います。お奨めします。 |
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●2004Meursault Clos des Rougeots |
ムルソー・クロ・デ・ルージョ |
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【素晴らしい!コシュ=デュリのルージョの真上のクロです!】
グラスから放たれるミネラルのフィネスと、ひとすすり含んだ一瞬の間の後の、口内・鼻腔を駆け巡る何かに身を任せてください。素晴らしいワインです。村名のリューディとは思えぬほどの深遠さを持っています。
そもそも、ムルソー・レ・ルージョは村名畑に過ぎませんが、これは「肉付き」が1級畑に適わない、という理由から来ているようです。しかしながら、秀逸なレ・ナルヴォー、レ・ティエ、ル・テッソンなども含め、複雑さを秘めた深い味わいを持つ村名のリューディは、シャルドネを愛する者にとっては、これ以上無い対象となっている訳です。またそうでない方も、コシュ=デュリの本当に素晴らしいレ・ルージョに触れることが出来れば、その素晴らしさに気が付かれるでしょう。
こんな分け方が正しいかどうかは判りませんが、コシュ=デュリの場合は比較早い段階での収穫を目指していますから、コント・ラフォンらの遅摘みを良しとするタイプとは、酸の出方や構成が違い、味わいも大きく違います。ドゥー・モンティーユの場合は、その中間的な収穫時期、もしくはコシュ=デュリにより近いんじゃないのかな?と踏んでいます。(あくまで味わいからの想像です)
思い切り冷たさが漂い、クールな状態に置かれた柑橘系フルーツや木の実が感じられます。もっとも完熟状態には程遠いのですが、果実味と酸味の絶妙なバランスを持っていますし、エキスの旨みと、その中に含まれる沢山の要素が複雑性を感じさせてくれますので、現状でもものすごく良い感じです。巨大さ、大きさから言えば、やっぱり下記のコルトン=シャルルマーニュには適わないですね。
また、価格も手ごろですので..なんてったってコシュ=デュリを考えれば滅茶苦茶安いです。(素直に比べられないですが..)
そんな訳ですので、少し良い価格のシャルドネですが、これが一押しです。飲んでみてください!
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●2004Corton-Charlemagne Grand Cru |
コルトン=シャルルマーニュ |
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【滅茶苦茶旨い!】
ドゥー・モンティーユのトップ・キュヴェです。ネゴシアン新時代を感じさせてくれるのは、ドゥー・モンティーユも同じ..フィリップ・パカレにせよ、自己所有畑を欲しいに違いは無いのでしょうが、畑に縛られることなく、良質な葡萄を得られるのであれば、そして、収穫した葡萄をすぐに醸造に移せるような環境が整えられるのであれば、ネゴスの方が良いのかもしれないと..noisy
も考え始めています。
このコルトン=シャルルマーニュですが、すでに完成された美味しさを持っています。おそらく、ワイン好きの方であれば、誰もが美味しいというに違いないレベルです。とても判りやすいんですね。
と、書いてしまうと、
「あ、単純なのかな?」
と、思われてしまいますが、そうにあらず..とてつもない大きさと、その空間を埋め尽くせる良い要素を大量に保有しているからです。誰にでも判る美味しさは、実はとても凄いワインである、ということの証明でも有ります。特に若い高級シャルドネは、肉付きの良いピュリニータイプであれば、
「美味しいね」
と高い確率で言って頂けると思います。しかし、コルトン=シャルルマーニュのような硬い性質のアペラシオンで、リリース直後から美味しい!と言えるものは、ほとんど有りません。
「グレートなワインはリリース直後から美味しい」
それは良く言われることではありますが、そんなに多く経験できることではありません。硬く絞まった味わいながらも、僅かな隙間からの微量の放出で多くの人を満足させてしまう力が有ります。noisy的には
ポテンシャルで 95点以上付けるに間違いないでしょう。もし余裕がございましたら、挑戦してみて欲しいグレートなシャルドネです。 |
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●2003Corton Charlemagne Grand Cru |
コルトン シャルルマーニュ |
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●2003Meursault les Rougeots |
ムルソー・レ・ルージョ |
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●2003Auxey-Duresses la Canee |
オーセ=デュレッス・ラ・カンネ |
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【今回一押しです..が数がありません。可憐ながらも芯が1本通った素晴らしい味わいです..】
全て飲んでいますが細かいことは今回は言いません。。
張りつめた緊張感の中で 微細に、深く、複雑に全ての要素が独立して、絡み合って別のものへと昇華してゆく..ワインの最大の楽しみが
そこにあります。それはおそらく何時飲んでも、印象こそタイミングで変わったとしても、真実を伝えてくれるでしょう。ドメーヌだからネゴスだから..とか、シャルドネだからピノ・ノアールだからカベルネだから..と、それぞれに違うものだとしても
本物が伝えることは一緒です。
そうは言っても一応簡単に纏めておきます。早い者勝ちですので..
Corton Charlemagne Grand Cru
ボノー・デュ・マルトレーの隣の無農薬栽培農家から購入した葡萄。さながら石灰で出来た張りつめた絹糸を思わせる。凛とした美しい酒躯。
Meursault les Rougeots
コシュ=デュリの畑の上部を所有する無農薬栽培農家から購入した葡萄を使用している。名手コシュ=デュリのルージョと良い勝負をするだろう。
Auxey-Duresses la Canee
前にご紹介したヴェロニック・ド・マクマオンのムルソー・レ・メイ・シャボーと地続きのかなり近い場所にある畑(つまりムルソー側の丘にある)。日照の関係で普通の年は余り熟さないのかもしれないが、酷暑の2003年の恩恵を最大限に受け取ったと思われる素晴らしい出来映え。冷ややかな緊張感の中に柔らかさと凝縮感、フィネスを湛えている。かなり良い。
要素が強すぎることなく、見事に調和していて、しかも高いレベルでの訴えかけをしていることが全てのワインに共通しています。是非とも味わってみてください。数は余りありません。 |
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