フランス■□ Jose Michel □■シャンパーニュ
ジョゼ ミシェル |
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● 数週間前、変わったことが起きました。夏と年末以外はほとんど動かない・・・というか、ずっと塩漬けになっていたジョゼ・ミシェルの「スペスィヤル・クルッブ1997」が立て続けのご注文で、完売してしまったんです。
「あ・・・ブルータスがやったのかな?」
というような感が閃きましたが、その通りでした。
noisy は購入もしていないし、見てもいないので聞いた話になりますが、アラン・ロベールなどの大御所に混じって、リーズナブルでクリュにも入らないジョゼ・ミシェルのスペスィヤル・クルッブ98が激賞されていたそうです。
まあ実際とても美味しいので、全然違和感は有りませんでした。でもね・・・何か複雑ですよ。確かに新着のメンバーのお客様には、本当に良く理解していただきお力添えをいただいていますが、ホームページでいかに説明しようとも、全く動かなかったシャンパーニュが一冊の雑誌にちょろっと出ただけで、Shop
の在庫が無くなっちゃう訳です。雑誌、メディアがどれだけ責任を持って編集しているのかは判りませんが、やっぱり我々ワイン屋はなかなか信用が無いのかなぁと・・。気を取り直して、昔のコピーを貼り付けさせていただきます。
アラン・ロベールやジャック・セロス他、数多のレコルタン・マニピュランをご紹介してきましたが、今のマイ・ブームは誰が何といってもジョゼ・ミシェルです。繊細な表情の中にきっちりと旨みが存在します。グラン・クリュはそりゃあ気品が有るし良い生産者はとても素晴らしいですよ。でも取っ付き難さも有るし価格も高い..。ジョゼ・ミシェルのシャンパーニュは畑の格がどうのこうの言う前に、シャンパーニュの美味しさを素直に伝えてくれます。本当に上手に仕上がったシャンパーニュですから、 「シャンパンって今ひとつピンと来ないんだよね..」 という方にも、また、 「一通り制覇したけど僕はセロス、いや、クリュグも捨てられないけど..」 という猛者、そして、 「ん?シャンパンってドンペリのことでしょ?」 というちょっとお茶目な可愛い方までも、きっと満足させてくれるでしょう。
優雅に長期熟成を見せるピノ・ムニエ
ジョゼ・ミシェルの愛想のよさは、あまり当てにしてはならない。というのは、彼の造るピノ・ムニエをベースにしたシャンパーニュは、《他の造り手による古典的なシャルドネやピノ・ノワールのキュヴェよりも、長期間しかも優雅に熟成させることができる。》として、ランスとエペルネのセラーマスターのあいだで大いにもてはやされているからである。彼はシャンパーニュの伝説のような人物である。ジョゼは自分自身を魔術師ではなくて、シャンパーニュを造るシンプルな古典的原理を応用する職人と考えている。ただ、彼の場合、とても樹齢の高いブドウ(70年以上)と、マロラクティックを回避したオーク樽での発酵が、特徴的なのである。 いまや60代のジョゼは、キュブリィ川流域のムシィ、ピエリィ、シャボに有する21ヘクタールの畑の世話をしている。この地は洗練されたタイプのピノ・ムニエ栽培に向いているところだが、シャルドネも植わっている。この両品種を半々にブレンドすると、しばしば最上の結果が得られる。それがたとえば、〈スペシャル・クラブ1990〉であって、シャルドネとピノ・ムニエがそれぞれブレンドに、クリーミィで強烈な味わいをもたらすのである。 昔からシャンパーニュを熱愛するものにとっては、ピノ・ムニエ100パーセントのキュヴェは、天啓のようなものである。もし、その1959年か1955年を味わえる機会があったら、決して逃してはならない。いずれも、まだ絶好調だからである。
ワイン王国 13号より抜粋 |
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●N.V.Champagne Brut (Carte Blanche) |
シャンパーニュ・ブリュット(・カルト・ブランシュ) |
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●N.V.Champagne Extra Brut |
シャンパーニュ・エクストラ・ブリュット |
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●2000Champagne Blanc de Blanc Brut |
シャンパーニュ・ブラン・ド・ブラン・ブリュット |
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●1998Champagne Special Club Brut |
シャンパーニュ・スペスィアル・クルッブ・ブリュット |
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●1996Champagne Special Club Brut Magnum |
シャンパーニュ・スペスィアル・クルッブ・ブリュット マグナムボトル |
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【はっきり言ってどれもこれも素晴らしいです。格付け外でこれ以上のものはそうは見つからないはず!】
時間が無いので大きく端折ってます。
シャンパーニュ・ブリュット(・カルト・ブランシュ) は、ジョゼ・ミシェルのシャンパーニュ造りの才を感じさせる仕上がりです。完全な球体を思わせるバランスです。普段はこれか、シュルランのカルト・ドールで充分!
ロゼの美味しさは皆さんすでにご存知でしょう。えぐられ硬いか、妙に甘いかのロゼが多い中、ソフトでニュートラルな味わいを見せます。
エクストラ・ブリュットは、ジョゼ・ミシェルの中で一番緊張感有る味わい。それでもジョゼ・ミシェル特有の、「エキスの旨み」がしっかりと感じられる逸品。これを造るのは至難の業だと感じています。グラン・クリュだけで一度造ってくれないかな・・・。
ブラン・ド・ブラン・ミレジメは、もっともスタイリッシュでピュアな美しさが光ります。2000年は数が無く、とても希少とのことで、入荷も僅かです。一押しにしたいところでは有りますが、スペスィヤル・クルッブもあるので・・・。
1998年のスペスィヤル・クルッブは、気品と複雑性に勝ります。ヴィンテージの素晴らしさが前面に出ていますね。あ、ジャック・セロスの1998年ミレジメは、本人が、「マイナス面が全く無い」と言っているそうですので、何とか呑みたいと思っています。誰か飲ませてくれないかな・・・
今回の1996年のスペスィヤル・クルッブはマグナムです。旨そうですね・・・これは呑んでいませんが、昔のコメントが出てきましたので、そのまま貼り付けておきますね。
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【R.M.のスペシャル・クラブ品です.. 】 ピノ・ムニエ50% シャルドネ50%
のセパージュです。ところでこの「スペスィアル・クルッブ(スペシャル・クラブ)」の瓶型とエチケットはレコルタン・マニピュランには数多くありますよね。noisy
も詳しくは知らないのですが、知っていることを少々..。間違っていたらすみません、笑って許してください..。
1971年にグランドマルクに対抗するため50人の小規模栽培者が集まり、自分たちの将来のために「クルッブ・ヴィティキュルトゥール・シャンプノワ」という会を設立、同様の瓶型・エチケットで自分たちの存在をアピールしよう..ということで始まったと聞いています。現在は「Club
Tresor
クルッブ・トレゾール」(直訳:宝物クラブ)と名乗っているようです。ここで認められたものを、同じデザインで販売している、ということです。
これは飲みました..(^.^
noisy
もちっとは努力してます..。現在の味わいは..う〜ん、どうでしょう..。 ポテンシャルはかなり高いですね。高レベルの酸とそれに見合う果実味がミネラルと共に存在します。ただ、余りに到着してからの時間が少なかった性も有ると思うのですが、現在は微妙にバランスしていませんし、口当たりの滑らかさ、熟成感に欠けます。時間が経つと微細な表情を見せ始めますが、時遅し..という感じです。
1996年はグレート・イヤーとなったシャンパーニュですが、その分熟成に時間が掛かると思いますので、今後3年間は置いて欲しい..と思います。1996年のサロンも飲んでみましたが..余りに早すぎる..。2日前の抜栓が求められるかもしれません。今飲むので有ればむしろ上記の「ペール・ウダール」をお奨めします。到着直後と言うこともあり、正確なテイスティングでは有りえ無いと思いますが..。こちらはセラーリングに回し、もしくは「シュルランのカルト・ドール」を先に飲みましょう..。noisy
の言葉の真偽をお確かめになりたい方は是非ともお試し下さい。
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2年前に書いたものと思われますので、時間の経過もちょうど良いかと!有る意味、とてもタイムリーなワインかもしれません。
そんな訳で、端折りマクリで申し訳有りませんが、いつもお奨めしていますので大丈夫ですよね。よろしくお願いいたします。 |
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●N.V.Champagne Rose Brut |
シャンパーニュ・ロゼ・ブリュット |
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【粒のしっかりした高級ベリーの若々しいニュアンスがそのまま瓶詰め!..】
またまた「べた褒め」で、もう
ウンザリ
だと思いますが、そんな状況もこのコラムで終了しますので我慢して聞いてください。 「シャンパーニュ・ロゼの安いものに旨いものは無い!」 というシャンパーニュ通の方にこそ飲んで欲しい、素晴らしいロゼです。(いや、そうじゃない方にもお薦めしますよ。)
ピノ・ムニエを主体にピノ・ノアールを少量セパージュしたと思われるジョゼ・ミシェルのロゼは、表題に書いたとおり、粒の崩れない高級ベリーの若々しいニュアンスが多量のミネラルとともに感じられる伸びやかなアロマを持っています。しかも、コク・深みを形成するムニエがボディに頑張っていますから、これはもう鬼に金棒状態..。華やかさと味わい深さを両立しているんですね。しかも価格が..こんなに安くて良いの?と思っていただけるに違い有りません。
大手のシャンパーニュも知っている我々は、それを売らなければならない状況が生まれることがあります。しかし、 「そんなもん売ってる場合じゃない」 と、感じざるを得ないテイスティングになってしまいました。心の中から嬉しい悲鳴が聞こえてきます..
構造の大きさは中の上
止まりですが、テクスチュアの滑らかさが見事にカバーしていますし、完成度の高さはクラスを大きく超えています。若々しいフルーツが連想されるシャンパーニュは、ほとんどの場合口中を薄辛く感じさせるか、リキュールの甘みで誤魔化したなと感じることが多いですが、泡の細かさとコク、全体のバランスがそうさせないのが素晴らしい!秀逸な長さと質の良さを感じさせる収束です。今回一押しのロゼです。このロゼでクリスマスにムーディーな夜をお過ごしください。 |
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● そろそろシャンパーニュの季節ですね。ワイン好きならクリスマスや誕生会、ワイン会、忘年会、お正月、新年会という流れの中でワインをいただくことになるに違いないでしょう。で、この年末のnoisy
一押しは..何と!ジョゼ・ミシェル!
アラン・ロベールやジャック・セロス他、数多のレコルタン・マニピュランをご紹介してきましたが、今のマイ・ブームは誰が何といってもジョゼ・ミシェルです。繊細な表情の中にきっちりと旨みが存在します。グラン・クリュはそりゃあ気品が有るし良い生産者はとても素晴らしいですよ。でも取っ付き難さも有るし価格も高い..。ジョゼ・ミシェルのシャンパーニュは畑の格がどうのこうの言う前に、シャンパーニュの美味しさを素直に伝えてくれます。本当に上手に仕上がったシャンパーニュですから、
「シャンパンって今ひとつピンと来ないんだよね..」
という方にも、また、
「一通り制覇したけど僕はセロス、いや、クリュグも捨てられないけど..」
という猛者、そして、
「ん?シャンパンってドンペリのことでしょ?」
というちょっとお茶目な可愛い方までも、きっと満足させてくれるでしょう。
はっきりお奨めしておきましょう。今回ご紹介のジョゼ・ミシェルは全てテイスティングした上でご紹介していますし、どのシャンパーニュも旨いです。そしてそれぞれに特徴が有りますので、ご自分の好みや料理の傾向などをお考えの上、幾つかご選択いただけたらと思います。が、noisyのジョセ・ミシェル一押しは、
「92年 ブラン・ド・ブラン・ミシェル クロ・デ・プラン・ド・シェヌ・ブリュット」
です。繊細なブラン・ド・ブランを旨みたっぷりに仕上げています。
一応の2番目は、
「96年 ブリュット・ミレジメ」
です。こちらは、ブラン・ド・ブランのスタイリッシュさとは反対に、豊かな膨らみと味わいを見せてくれます。甲乙付けがたい2つですので、お好みに合わせてご選択ください。
勿論、他のシャンパーニュも本当に捨てがたいです..敢えて言えば..の1番、2番です。是非ともコラムを良くご覧の上ご検討くださいね。
優雅に長期熟成を見せるピノ・ムニエ
ジョゼ・ミシェルの愛想のよさは、あまり当てにしてはならない。というのは、彼の造るピノ・ムニエをベースにしたシャンパーニュは、《他の造り手による古典的なシャルドネやピノ・ノワールのキュヴェよりも、長期間しかも優雅に熟成させることができる。》として、ランスとエペルネのセラーマスターのあいだで大いにもてはやされているからである。彼はシャンパーニュの伝説のような人物である。ジョゼは自分自身を魔術師ではなくて、シャンパーニュを造るシンプルな古典的原理を応用する職人と考えている。ただ、彼の場合、とても樹齢の高いブドウ(70年以上)と、マロラクティックを回避したオーク樽での発酵が、特徴的なのである。
いまや60代のジョゼは、キュブリィ川流域のムシィ、ピエリィ、シャボに有する21ヘクタールの畑の世話をしている。この地は洗練されたタイプのピノ・ムニエ栽培に向いているところだが、シャルドネも植わっている。この両品種を半々にブレンドすると、しばしば最上の結果が得られる。それがたとえば、〈スペシャル・クラブ1990〉であって、シャルドネとピノ・ムニエがそれぞれブレンドに、クリーミィで強烈な味わいをもたらすのである。
昔からシャンパーニュを熱愛するものにとっては、ピノ・ムニエ100パーセントのキュヴェは、天啓のようなものである。もし、その1959年か1955年を味わえる機会があったら、決して逃してはならない。いずれも、まだ絶好調だからである。
ワイン王国 13号より抜粋 |
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●1995Champagne Blanc de Blanc Brut |
シャンパーニュ・ブラン・ド・ブラン・ブリュット |
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【ミレジメ95年ブラン・ド・ブランは絶妙のバランス!】
一押しはやっぱり少し高めの95年ミレジメ・ブラン・ド・ブランです。ミシェル・チュルジをコルトン=シャルルマーニュとするならば、こちらは樽を使わなかったムルソー・ジュヌヴリエールでしょう。果実の風味がたっぷりまん丸の球体で、立体で迫ってきます。木目の細やかなガスはやや弱め、そのためかむしろ接触感がソフトで、
「飲まないようにするのが大変!美味しいものは喉を通りたがる!」
状態でした。もっともジョゼ・ミシェルのシャンパーニュって、何故か本当に全部そうなんですよ・・・。
「ブワっと口蓋で膨らんで、香りと味を感じた瞬間に喉に向かってきてスルリと胃に落ちようとする」んです。
ホント、危険なシャンパーニュですね。テイスティングアイテムを全部飲んでいたら死んじゃいますんで、比較の際は飲まないんですが、
「美味しいワインは喉を目指す!」
ものなので、実に飲まないようにするのが大変なんです。
丸くて膨らみがあって優しい味わいのシャンパーニュです。飲んでみてください。お薦めです!
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●2000Champagne Extra Brut |
シャンパーニュ・エクストラ・ブリュット |

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【安価ながらもキレが良いエクストラ・ブリュットです!】
絶対的な大きさと円の丸さは上記のミレジメ・ブラン・ド・ブランにゃ敵いませんが、リキュールに頼らないピュアな美味しさは、有る意味凌いでいると言えるでしょう。
節度有るガスのソフトで細やかないたずらを口内で楽しませながら、フルーツやミネラルの香りを振りまき、舌の上で旨みを受容するポイントを瞬間に埋めながら、喉の奥を目指します。その刹那の優しさとバランスの良さに圧倒されます。
で、これがこのプライスなんですね。もう、萌え とか 未亡人 のスタンダードシャンパーニュは卒業するっきゃないでしょう。充分すぎるほど美味しい!価格で行くなら、ジョゼ・ミシェルではこのエクストラ・ブリュットをお薦めします。初心者にも優しく、熟練者にも満足できますし、ガスが強すぎないのが良いですね。飲んでみてください!
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●1992Champagne Blanc de Blancs Michel
Clos des Plants de Chene Brut |
シャンパーニュ・ブラン・ド・ブラン・ミシェル クロ・デ・プラン・ド・シェヌ・ブリュット |
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再入荷!
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【繊細さと旨み!泡の細やかさはクラスを超越した味わいです!サロンに近いニュアンスです
】
いや、今年はアラン・ロベールのブラン・ド・ブラン・セレクスィヨンが無く、しかも今後の入荷はしばらく見込めないので、
「いや〜、困った困った..このボリュームゾーンが手配できないなんて..どうしましょ..」
と、半分諦めの境地にいた noisy ですが、皆さんも良くご存知のこのRMがその代役をやってくれました。代役どころか価格も安いので、noisy
の中では主役を完全に喰ってしまっています。
このブラン・ドブラン、シャルドネによるミレジメのシャンパーニュは、簡単に言えばサロンぽい感じです。まあ、サロンはグランクリュですから、同じ土俵で論じては申し訳無いのですが、基本的な味筋が似ているということですね。
フレッシュでナチュラルなアロマに熟成によるブケが混じります。ボランジェのような2次発酵による肥えて深いニュアンスは有りませんし、ブラン・ド・ブランと言ってもアラン・ロベールのような豪快さもありません。味筋はサロンと同様に思います。決め細やかな泡とエキスの旨みの輝きは長い熟成により磨かれたものと推測されます。
まあ、はっきり言って
「とても判りやすい」
美味しさですね。しかも、そこから先を探していっても、簡単に行き止まりになったりするような浅い構造では有りません。ですので、
「いや〜、これ、旨いね!」
という声が最初の一口で聞こえてくるでしょう。シャンパーニュの熟成とは素晴らしいもので、ただ古くなっただけじゃ無いんです。ガスは若干弱まるが細やかさや接触感といった質感のアップを生み、シャンピニヨン
などというような繊細なブケをも感じさせてくれます。そして何といってもこの価格!素晴らしいじゃあないですか!是非ともご検討ください。お奨めいたします。
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●1996Champagne Brut |
シャンパーニュ・ブリュット・ミレジメ |
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【92年BdBlancs よりも大きさと構造が深く、よりジョセ・ミシェルらしさが表現されています!】
甲乙付けがたいこの2アイテム、どっちをトップにするかで悩みました。その位、この96年も良いです。むしろ、ピノ・ムニエを基本とした味わいはジョゼ・ミシェルらしい部分ですから、それを評価するならこちらがトップです。
味筋は、
「ジョゼ・ミシェルここにあり!」
と叫んでいるような、ピノ・ムニエの深い構造とコクが基本で、フレッシュで爽やかです。96年は最高のヴィンテージですから、充分に熟した葡萄の良さ、果実味が前面に出てボリューム感がしっかり有ります。上記の92年よりも二周りほどボディが豊かに感じますが、これはムニエが中心に存在しながら、他のセパージュの性格を引き出しているためでしょう。泡立ちの滑らかさは92年が一歩上なのは熟成期間の違いで仕方が有りません。
日本食などの繊細な味わいの料理に合わせるのであれば、上記92年ブラン・ド・ブランをお奨めいたしますが、オールマイティに活躍できるのは、この96年ミレジメでしょう。ちなみにこの92年と96年を比較することで、
「シャンパーニュにおけるピノ・ムニエの役割」
を実感できます。
シャンパーニュのメゾンでは自社のスタンダードタイプに、ピノ・ムニエを格下の葡萄として嫌うところもありますし、一方、
「ピノ・ムニエが無ければどうにもならない」
とするメゾンもあります。noisy 自身の感性では、ムニエはワインに深みや芯を与えるような役割を持っていると思っています。是非とも飲んでみてください。これも旨い! |
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●1997Champagne Special Club Brut |
シャンパーニュ・スペスィアル・クルッブ・ブリュット |
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【このスペスィアル・クルッブを贔屓にしている人も多いです。これも素晴らしいがちょっと早い..】
セールス的には、比較お値段の良いこちらを押したいところですが、直近のバランスでは少し早いと判断しました。出来るなら最低半年〜1年置いてほしいな?というところです。それさえ出来れば、ジョゼ・ミシェルらしい、ピュアで味わいの芯が定まり集中した良さを味わえるでしょう。
基本的にはピノ・ムニエとシャルドネを半々ずつ使用していると思います。泡立ちは幾分とっ散らかっていました。何しろ結構厳しい日程でのテイスティングでしたので、若い(と言っても97だが..)シャンパーニュはちょっとへそを曲げてしまったようです。しかし、味わいのバランスはさすがで、深いコクとフレッシュな果実味がビシっと決まっています。香りもまだ若いものが多いですが、色の淡いフルーツ、例えば桃とかサクランボ(日本のね..佐藤錦とか..)のほのかな香りが漂っています。徐々にその色付きは時間で深まって行きますから、感じられる種類も変わって行きます。複雑さが出てきた頃は..もう瓶には残っていないでしょう..。
飲まれる際は、出来るだけ早めに移動を完了してください。落ち着かないと、noisy
のようにへそを曲げられてしまうかもしれません。しっかり休めれば、にっこりと微笑んでくれるでしょう。お奨めです! |
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●N.V.Champagne Extra Brut |
シャンパーニュ・エクストラ・ブリュット |
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【このキリっとした中にも深い表情を見せるエクストラ・ブリュットは3番目!】
プライスを最優先すれば、こちらがトップです。ピノ・ムニエ主体のエクストラ・ブリュットはドザージュ無しの辛口仕上げです。まあ、ワインの場合何でもそうなんですが、
「甘みに逃げる」
ということを、noisy は良く書いています。これは、甘みが有ったら駄目..と言うことではなく、甘みによっかかった味わいの構造をしているのは駄目、ということです。裏を返せば、とてもドライな味わいのワインは、ワインの良い部分も悪い部分もさらけ出してしまう..ということです。
また、それだけ味わいも繊細になります。そこにピノ・ムニエが存在感を発揮していますし、ジョゼ・ミシェル風の出汁味がしっかり利いた、もしくは凝縮したエキスの旨みが効いているわけですね。
ピュアでフレッシュな香りはここでも生きています。数多のリザーブをどのようにブレンドしたのか判りませんが、基本となるヴィンテージのキュヴェに幾つかのリザーブを配して、微細な表情を出しています。シャンピニオンもとても繊細に出てきます..。うっとりしてみてください。お奨めです! |
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●N.V.Champagne Cuvee du Pere Houdart Brut |
シャンパーニュ キュヴェ・デュ・ペール・ウダール ブリュット |
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【1985,1986,1988年のブレンドです.. 】
85年ピノ・ムニエ、86年ピノ・ムニエ、88年シャルドネ 各1/3ずつのセパージュです。良年のみのヴィンテージワインを使い、親の名前で出していることをお考えください。息子なら失敗など出来ないですよね。直訳すれば
「ウダール親爺の酒」 ..。まあ、自分のキュヴェではなく、父親の造ったキュヴェをアッサンブラージュした..ということだと思います。
で、前回ご紹介したときには、
「飲んでない」
と言っておりましたが、実はすぐその後にテイスティングしていました。取りあえず基礎知識として、ワイン王国はマイケル・エドワード氏の文献をご覧ください。
ワイン王国2002年NO.13(冬号) 文 マイケル・エドワード より抜粋
ジョゼ・ミシェルの愛想のよさは、あまり当てにしてはならない。というのは、彼の造るピノ・ムニエをベースにしたシャンパーニュは、<他の造り手による古典的なシャルドネやピノ・ノワールのキュヴェよりも、長期間しかも優雅に熟成させることができる
> として、ランスとエペルネのセラーマスターのあいだで大いにもてはやされているからである。彼はシャンパーニュの伝説のような人物である。ジョゼは自分自身を魔術師ではなくて、シャンパーニュを造るシンプルな古典的原理を応用する職人と考えている。ただ彼の場合、とても樹齢の高いブドウ(70年以上)と、マロラクティックを回避したオーク樽での発酵が、特徴的なのである。
いまや60代のジョゼは、キュブリィ川流域のムシィ、ピエリィ、シャボに有する21ヘクタールの畑の世話をしている。この地は洗練されたタイプのピノ・ムニエ栽培に向いているところだが、シャルドネも植わっている。この両品種を半々にブレンドすると、しばしば最上の結果が得られる。それが例えばスペシャル・クラブ1990であって、シャルドネとピノ・ムニエがそれぞれブレンドに、クリーミィで強烈な味わいをもたらすのである。
昔からシャンパーニュを熟愛するものにとっては、ピノ・ムニエ100%のキュヴェは天啓のようなものである。もし、その1959年か1955年を味わえる機会があったら、決して逃してはならない。いずれもまだ絶好調だからである。 |
今回ご紹介のキュヴェとは違いますが、ジョゼ・ミシェルについて書かれています。ムニエが重要だと、そして特徴はマロの回避だと..。
そうなんですね..。見事に熟していながら若々しさとナチュラルさを感じるのは、そんな技術が生きているからなんでしょう。柔らかくしっとりしていながらも、どこか弾けるような若さが溢れてくる..そんな素晴らしいシャンパーニュなんですね。しかも価格が..めちゃ安いです。是非とも1本はセラーにしまって置いてください。忘れちゃってもOKです。お薦めです。
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●1996Champagne Special Club Brut |
シャンパーニュ スペスィアル・クルッブ ブリュット |
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完売しました。有り難うございました。 |
【R.M.のスペシャル・クラブ品です.. 】
ピノ・ムニエ50% シャルドネ50% のセパージュです。ところでこの「スペスィアル・クルッブ(スペシャル・クラブ)」の瓶型とエチケットはレコルタン・マニピュランには数多くありますよね。noisy
も詳しくは知らないのですが、知っていることを少々..。間違っていたらすみません、笑って許してください..。
1971年にグランドマルクに対抗するため50人の小規模栽培者が集まり、自分たちの将来のために「クルッブ・ヴィティキュルトゥール・シャンプノワ」という会を設立、同様の瓶型・エチケットで自分たちの存在をアピールしよう..ということで始まったと聞いています。現在は「Club
Tresor クルッブ・トレゾール」(直訳:宝物クラブ)と名乗っているようです。ここで認められたものを、同じデザインで販売している、ということです。
これは飲みました..(^.^ noisy もちっとは努力してます..。現在の味わいは..う〜ん、どうでしょう..。
ポテンシャルはかなり高いですね。高レベルの酸とそれに見合う果実味がミネラルと共に存在します。ただ、余りに到着してからの時間が少なかった性も有ると思うのですが、現在は微妙にバランスしていませんし、口当たりの滑らかさ、熟成感に欠けます。時間が経つと微細な表情を見せ始めますが、時遅し..という感じです。
1996年はグレート・イヤーとなったシャンパーニュですが、その分熟成に時間が掛かると思いますので、今後3年間は置いて欲しい..と思います。1996年のサロンも飲んでみましたが..余りに早すぎる..。2日前の抜栓が求められるかもしれません。今飲むので有ればむしろ上記の「ペール・ウダール」をお奨めします。到着直後と言うこともあり、正確なテイスティングでは有りえ無いと思いますが..。こちらはセラーリングに回し、もしくは「シュルランのカルト・ドール」を先に飲みましょう..。noisy
の言葉の真偽をお確かめになりたい方は是非ともお試し下さい。
そうそう、ワイナート最新号21号の105ページに、「ホント..何考えてるんだか..」と思わせる記事が出ていました。「シャンパーニュの飲み頃」という欄です。クリュグとドン・ペリニヨンを引き合いに出して、結局は
「熟成シャンパーニュが飲みたいときは、−略- たとえばドン・ペリニヨン・エノテークをお奨めする」
と結んでいます。細かいことは言いませんが、こういう全てを決めつけた物言いは良くない、と思うんですが..ね。(
noisy 自身もその傾向は強いとしても自分の事は置いて..) デゴルジュマンして6カ月して落ち着いたら2,3年ほどの間に飲むもの、という考え方も、全てに当てはまるものでは有り得ないはず..。それを言い切った上で、「たとえば」と言う言葉で控えめにしたところで単一銘柄をお奨めして、しかも文責は誰にあるか書いていないとはどういうこと?特集でエノテーク1990を最高評価するのは良いとしても、じゃあ、ボランジェRD1990の立場は?..それになぜオンリストさせてないのか..
手に入らなかったということは絶対に有り得ず..語るに落ちるとはこういうことなのかと、とっても腹立たしい記事でした。そんなことばっかりやってると全てのワイン・ファンに見透かされちゃいますよ..。
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