駐日韓国大使が「お忍び」で帰国したワケ
一部では、権大使が大使職にとどまるよりも、韓国国内に復帰することを望んでいるのではないかとの見方も出ている。ある外交消息筋は「権大使が最近、周囲に対し“ソウルで働く機会が与えられるなら、躊躇(ちゅうちょ)することなく受け入れたい」という趣旨の発言をしている」と話している。国会の教育委員長を務めているだけに、来年初めに内閣改造が行われた場合、教育科学技術部長官への任命を希望しているとも言われている。
今年4月の総選挙で政党の公認から漏れた後、駐日大使に任命された権大使は、4月初めに着任した直後から、私的な場で「ここはわたしがいるべき場所ではないのに…」と話し、政界への未練を断ち切れない様子だった。5月に東京で開かれた韓・中・日3カ国の外相会談の際には、駐中国大使とは違い、会談場に同席することもなかった。このため、「政界の重鎮だったため、外交通商部長官の付き添い役を務めるのが嫌だったのではないか」という説も出た。
また7月、日本の中学校社会科の学習指導要領解説書に独島(日本名竹島)の領有権が盛り込まれたのをきっかけに、外交官生活に懐疑の念を抱くようになったと言われている。権大使は当時、状況の悪化を防ぐため、日本の各界の関係者と接触を図り、「思いつくだけの人物にはすべて会った」と発言していたが、結局その努力は無駄になり、「日本側に裏切られた」という思いを抱くようになったという。また、独島問題で一時帰国した際には、ハンナラ党の最高委員会議で「日本の島国根性…」などといった外交官にあるまじき発言をして、パク・ヒテ代表から事実上の「退場命令」を受けた。
ある外交消息筋は「特命全権大使はそのすべての言動が韓国の意思を表わすものと受け止められているため、発言には慎重に慎重を重ねなければならないが、大使がその任務を無意味であるかのように考えるのは、駐在国に対し大きな失礼に当たる」と指摘した。その上で「日本政府も、権大使が日本で博士学位を取得した、韓国政界を代表する日本通である上、(李明博〈イ・ミョンバク〉大統領の実兄である)李相得(イ・サンドゥク)議員と親しいことから、当初はかなり期待していたようだが、最近はやや考えが変わってきているようだ」と話している。
任敏赫(イム・ミンヒョク)記者
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