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【福井発】

「加害者はすぐ通報を」 競輪・鷲田さん自転車マナー講習

2008年11月29日

ひき逃げ被害、警官と縁

来月2日武生工高で

    鷲田佳史さん

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 越前市のトンネルで十月、自転車でトレーニング中にひき逃げに遭い負傷した競輪選手が十二月二日、高校生を対象にした自転車マナー講習の講師を務めることになった。事件を担当した越前署員と友情が芽生えて実現した。「加害者はすぐに通報すれば逮捕されずに済んだ。ルール、マナーは守らないといけない」と、生徒らに伝えるつもりだ。

 講師となるのは福井市福一丁目、競輪選手鷲田佳史(よしふみ)さん(25)。「福井けいりん」(福井市)をはじめ、県内外で活躍するS級二班の有力選手だ。

 鷲田さんは十月十二日、越前市千合谷(せんごうだに)町のトンネルでトレーニングのため走行中、自転車四台の列に乗用車が突っ込み、鷲田さんは脚に深い傷などを負い一カ月間入院した。容疑者は同月二十日、逮捕された。

 病室では交通課の織田貴憲巡査部長(31)が被害状況などを聴取した。「ヘッドライトの破片しか(現場に)残留物がなく、犯人は見つからないと思ったが車種を特定した。入院中の苦しいときに親身になってくれ、心強かった」と鷲田さん。

 織田さんも「競輪はギャンブルのイメージが強かったが、鷲田選手は真剣に仕事に向かういい男」。職種の異なる二人だが、互いに仕事にかける情熱に刺激を受けたという。

 同署では管内の高校で講習を開いており、織田巡査部長が「プロの心構えを伝えてほしい」と鷲田さんに打診し、武生工業高校での講習が実現した。

 鷲田さんは筋肉を痛めており、レース復帰は年明け、完全復帰は来春になりそうだという。「事故に遭ったら車のナンバーを確認し、万一、加害者になってしまっても逃げずに対応を」と呼び掛けたいという。 (持田則子)

 

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