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2008/11/30 17:03 KST
<インタビュー>電通の遠藤道子氏「韓流の可能性は大きい」


【ソウル30日聯合】日本での韓流ブームは以前ほどではないが、依然、中核マーケットはあり、発展の可能性はある。韓流スターの成長の可能性はかなり高い――。

 何度訪ねても返って来た答えは同じだった。日本最大のメディアエージェンシー、電通テレビ局企画推進部の遠藤道子氏は「日本での韓国ドラマファン層は確実に定着した。固定ファンはたやすく変わらないし、いつでもプラスアルファで増える可能性がある」との考えを示した。

 来月10日から放映を開始するSBSドラマ「スターの恋人」制作発表会に出席するため訪韓した遠藤氏に会い、話を聞いた。電通は2006年にMBCドラマ「君はどの星から来たの」に続き、同ドラマと、来年上半期に放送されるSBSドラマ「カインとアベル」に投資者として参与している。遠藤氏はその実務責任者だ。韓流は下降気味だと言われるなか、なぜ韓国ドラマに共同制作として参与するのか、単刀直入に尋ねてみた。

 遠藤氏は、電通が「面白そうだ」「やってみよう」と考えるのは、それだけ可能性があるということだと語る。韓国ドラマはアジアを超え世界に広まった。韓国ドラマと手を結び、世界に向けてドラマを作ろうという考えなのだと説明する。日本ドラマに対するプライドも大きいが、日本のドラマの場合は1作品の話数が少なく、世界に広めるには俳優の肖像権が大きな問題となる。韓国はこれまでそうした制約がなく、海外マーケットもある程度構築されているため、事業性の面で可能性が大きいと見ている。著作権がそれだけ未熟だということもあるが、反対に、攻撃的なマーケティングや市場の開拓には長所となる。

 遠藤氏は、韓国ドラマについて「家族や愛情問題など、国境を超えた共感帯が形成できる普遍的情緒を扱っているので世界進出に有利。また、緊張感が強く、躍動的」だと診断する。

 チェ・ジウ主演の「スターの恋人」については、日本の街角で「知っている韓国の女優は?」と尋ねれば、ほとんどがチェ・ジウと答えると紹介。チェ・ジウは韓流スターとしてのパワーが大きく、ドラマはだれにでも分かりやすい内容だと判断し、共同制作に参与したと説明した。

 自身も韓流ドラマを楽しんで視聴したという遠藤氏。日本では米国ドラマと韓国ドラマのファン層は同じような規模で、視聴率も似ているという。韓流は「冬のソナタ」のころのようなブームではなくとも、たやすく変わることのないファン層を確保していると強調した。

 「何より韓流スターの力が大きい。韓国の俳優は背も高くスタイルが良く、演技もうまい。ペ・ヨンジュンさんが依然として不動の位置にいるが、新しいスターがもっと生まれてくるはずだと考えています」。

 日本に韓流ブームがあれば、韓国でも日本ドラマと音楽のファンが次第に増えている。ソウルに来れば東京と錯覚するほど、両国は近くて似ている存在だと、遠藤氏は語る。

 「インターネットの発達で情報の流通は簡単になり、若者を中心に韓国と日本の違いは徐々になくなりつつある。日本は東方神起が好き、韓国はSMAPが好き。そんな情緒的類似性を背景に、両国が手を取り、世界市場に広がっていくことを期待しています」。

電通の遠藤道子氏=30日、ソウル(聯合)