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年末ジャンボ宝くじが発売されている。昨年の6等3万円の当せん確率は1万分の1という。それに対して裁判員候補者名簿に記載される確率は、金沢地裁で558人に1人となっている 最高裁が裁判員候補者名簿に載った約29万5千人に通知書を発送した。来年はこの人たちから裁判員が選ばれる。宝くじと一緒にできないが、高率で身近に「当せん者」が出そうだ。が、この「当たりくじ」だけはあまり人気がない 法律知識のない者が人を裁くのである。それも重大犯罪の刑事裁判である。殺人現場の目を背けたくなるような写真や証拠品などを見なければならない。また、評議内容を話すと罰せられるなど多くの罰則規定もある。精神的負担はかなりのものがあろう 裁判員制度は裁判に健全な社会常識を反映させるためと言っている。が、くじで選ばれる公平さと選ばれた人の質の均一性は別のものだ。理不尽な凶悪事件が続くなか、まともな常識を持った国民が裁判員に選ばれるのかという疑念もつきまとう 裁判員制度開始まで半年を切った。取り除かなければならない不安はまだまだ大きい。
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