昨季のアジア王者が抱えている問題は、予想以上に深刻だ。
「規律の面でいえば、(前監督の)オジェックは選手を縛り付けてそれを足かせと思っている選手もいたけど、ゲルトはそれを全部取っ払った。そのときはよかったけど、規律がなくなってチームが崩れはじめたら止まらなくなった」
永井がチームの内情を明かした。24日の練習前、指揮官が選手を呼んで円陣を組もうとすると、選手は距離を置いて大きな円を作り、もっと近づくように指示が出される一幕も。求心力の低下は明らかだった。永井はさらに「(監督から)20番目といわれて、居場所がないと感じた」と移籍を示唆するコメントも飛び出す始末だ。
これには伏線があった。18日の神戸戦(埼玉)で公式戦5戦連続で勝ち星なしとなる0−1の敗戦。リーグ戦での優勝が絶望視されている。サポーターからは大ブーイングが起きて、8日のACL準決勝第1戦・G大阪戦(万博)から引き続きベンチ外に。この時にも起用法に対する不満を漏らし、たまっていたウップンがついに大爆発した形だ。しかし、浦和側は今シーズンに限り、現体制を維持することを決定。
永井は「この状況で何かを変えるなら答えはひとつ。でも、会社はそれを変えないわけだし、雰囲気を盛り上げようとしているけど、それだけで勝てるわけじゃない」と疑問を投げかけた。
エンゲルス監督は来季終了まで契約が残っているが、天皇杯を含め、今後の成績に関係なく、今季限りとなることが決定的だ。