暴力行為:過去最多の5万2756件 昨年度・小中高校生(1/2ページ)

暴力行為発生件数の推移
暴力行為発生件数の推移

 全国の小中高校生による暴力行為の発生件数が07年度、過去最多の5万2756件(前年度比18.2%増)に上ったことが、「問題行動」に関する文部科学省の調査で分かった。小中高すべてが過去最多で、特に小学校は前年度に比べ37.1%も増えた。いじめの認知件数は前年度より減少したが依然10万件を超え、携帯電話のインターネットサイトなどが関係した「ネットいじめ」など新しい形態も目立っている。

 暴力行為は全小中高校計3万9025校を対象に調査し、小学校は5214件、中学校は3万6803件(同20.4%増)、高校は1万739件(同4.7%増)に達した。状況別では生徒間が2万8396件で最も多く、器物損壊1万5718件、対教師6959件、見知らぬ人への暴力1683件だった。

 校内での暴力は4万7935件で、全体の21%にあたる8204校で発生した。文科省は「同じ学校で繰り返し発生し、同じ児童生徒が複数回起こしている」と分析。教育委員会への聞き取りでは、暴力行為増加の原因について、感情をコントロールできない子や規範意識が低い子の増加が指摘された。

 学校が他機関と連携し、加害児童生徒に対応した際の相手も初めて調査した。警察など刑事司法機関が5161人と最多で、児童相談所など福祉機関は1646人だった。

 いじめについては、特別支援学校を含む計4万38校を調べた。認知件数は10万1127件(同19.0%減)で、▽小学校4万8896件(同19.7%減)▽中学校4万3505件(同15.2%減)▽高校8385件(同31.9%減)▽特別支援学校341件(同11.2%減)。文科省は「減少したとはいえ(10万件を超え)依然深刻だ」とする。

 自殺した児童生徒158人のうち、いじめが一因だった可能性があるケースは5人(同1人減)だった。【加藤隆寛】

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毎日新聞 2008年11月20日 21時13分(最終更新 11月21日 8時40分)

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