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【昭和正論座】元内閣法制局長官・林修三 昭和49年12月7日掲載 (2/5ページ)

2008.11.29 08:27
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 現行の国家公務員法第一0二条第一項は法律の上に、政党または政治的目的のための寄付金の要求など若干の禁止される政治的行為を掲げるほかは、一般職の国家公務員について禁止されるべき政治的行為の内容をあげて人事院規則に委任しており、人事院規則(一四−七)は、この委任に基づいて、禁止される行為を政治的目的と政治的行為の態容の両面から、ことこまかに規定し、これを一般職の国家公務員に対し、その職種、職務のいかんを問わず、職務の内外などを問わず、原則として一律的に適用し、禁止違反に対しては、これを懲戒処分の対象とするとともに、国家公務員法第一一0条第一項第一九号により刑罰の制裁の対象としている。

 ≪一律の刑罰制裁にも争い≫

 従来、この政治的行為の規制のやり方が批判されてきた理由はいろいろあるが、その主な点は、管理職でない、下級の公務員、特に、第一線で機械的作業に従事している現業の公務員などに対して、上級の公務員と同内容の規制を適用していること、しかも、その規制が、勤務時間外における職務とは一応関係ない行為などにも及んでいること、規制違反に対し一律的に刑罰の制裁の適用されることなどであった。そして、こういう批判は、立法政策的な批判にとどまらず、猿払事件の第一審・第二審判決のように、公務員についても、原則として認められるべき政治的意見表明の自由を不当に制限するものとして憲法の第二一条(表現の自由)や第三一条(法定手続の保障)に違反するなどという違憲論を生み、一一・六判決における少数意見も、猿払事件の第一審・第二審判決とは若干考え方がちがうが、法律および人事院規則の定める政治的行為の禁止違反に対し、懲戒処分だけでなく違反の態容にかかわりなく一律に刑罰の制裁をもって臨んでいる点をとらえて違憲論を展開している。

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