
このお話のそもそものきっかけは、たまたま助監督さんたちと「何かやりたいことは無いのか」って話しになって、何か企画を考えようって事になったんです。そのころ秋田に住んでいたんで自分に似た役とロビーナの一人二役をやりたいね、って話しになったんですよ。
役名の「伊集院ナツキ」って実は名字はそのままですけど、下の名前は違ったんです。しかも脚本家さんが考えたのは出身地も秋田じゃない別のところの予定だったんです。でも、これはなんとかくっつけちゃえって、現場で、「伊集院ナツキ」になってしかも秋田県のゴルフ場のお嬢様に。ロケをゴルフ場でしたからなんですけど。
伊集院ナツキは本当におとぼけで、犬のお見合いを自分のお見合いと勘違いして「ひどいわ!」って家出しちゃう早とちりな少女で。でも、そのお陰でロボコンとも会えて。‘世界には似た人が3人いる’って言いますよね、なので、ちょっと繋げて考えて、ロビーナと伊集院ナツキが似ているって設定になったんですけど、どう考えても似ていないだろう、って。髪の毛の色からして、化粧の濃さも、化粧とかも全然違うので同じ私が演っているのに、どうしても似てないんですよ。困っていたら、演出で、ナツキが私服のままカツラを被ってちょっと似せた雰囲気でロビーナとの連写をして、子供にもわかりやすいようにって。でもやっぱり似てないな、みたいな(笑)。。 |

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伊集院ナツキを演ったときに、ロビーナのほうがお姉さん的な存在なので、それをどうやってだそうかって考えました。ロビーナと伊集院ナツキの、人間とロボットの差別化、演技のやり方が分からなかったですね。人間役はこれが初めてですから。もう、すでに39話で、まさか人間の役がくるなんて考えてなかったですから「私はロボットよ」みたいな。
この39話では、『ローマの休日』のパロディで、ロボコンが自販機に手を入れて「イテテテ」ってなるんですけど、もう、「そこまで伊集院ナツキ、自販機での買い方も知らないか」みたいな感じで、本当にお嬢様なんだなって思ったんですよ。でも、本当にこういうお嬢様がいるのかな? って不思議に思いましたね。とってもおとぼけで。第一、ロボットがいることに普通はびっくりするはずが、全然。むしろ「これが自販機? これがポスト?」みたいな感じで。「ゴルフ場しか歩いたことないんかい?」って感じですけど。普通ロボットに驚くでしょう、逆にロボットには普通で「そう、ロボコン」ニコって。
ロボコンに会う前、初めのシーンで走って逃げているんですけど、途中で転ぶんですよ。あれ、どうしようか悩んだんですよ、転ぶのを。で、JAC(現・ジャパンアクションエンタープライズ)の役者さんに聞いたんですよ、転び方をいろいろ。手から着くと聞いたんですけど、でも、私運動神経悪いんで無理だって分かって、本当に転ぼうと思って小石を用意して「あそこで躓くんだ!」って思って走って、ズデーって。豪快に。そしたら「おしとやかに転んでね」「これテストだから、あんまり力入れないで」って言われちゃって。その撮影終わったらもう傷だらけで『傷だらけの天使』だってひとりで言ってました(笑)。
ロビーナでも階段から落ちるシーンとかありましたね。あと「ロボコンの周りは運が悪いから近寄るな」って回(第44話・悪霊退治で危機一髪)でロビーナが「ロボコ〜ン」って言った瞬間ズデッって転ぶシーンがあったんですけど、本当に転ばないと駄目だなって思って。でも転ぶとカツラがずるっと落ちるんです。「このままじゃ立ち上がれない」ってそのままの体制でじっとしてて「はい、カット!」で、やっとカツラをずるっと戻して。しかも背中の羽根もスコン! って取れちゃうんですよ。羽根ってランドセルのように背負っている部分に、はめ込んでいるだけなので全部とれちゃって。だから、伊集院ナツキの転ぶのはまだ楽なほうでしたね。

↑逃げるナツキちゃん。この後、勢い余って転んでしまう。
→ロボコンと鉢合わせしたナツキちゃん。「ロビーナちゃんみたいにかわいい♪」と目がハートになったロボコンに、ナツキちゃんが「お願い、私を守って」と助けを求める。
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