東京都周産期医療協議会(会長・岡井崇昭和大医学部教授)は28日、ハイリスクの妊婦に対応する都内の総合周産期母子医療センター9カ所のうち、3~4カ所を救急性の高い妊婦についてはすべて受け入れる「スーパー総合周産期母子医療センター」(仮称)として位置づける方針を決めた。
都内で9~10月、脳出血の症状を訴えた妊婦を総合周産期母子医療センターが受け入れられなかった事態が相次いだことを受けての対応。「スーパー総合」は妊婦の救命が必要な場合、ベッドの空きがなくてもとりあえず緊急入院として受け入れる。軽症の妊婦は対象としない。
ただこの日公表された都の調査では、都内の総合周産期母子医療センターの昨年度の母体搬送に対する受け入れ率は26~51%にとどまっており、受け入れられなかった理由の大半が「NICU(新生児集中治療室)が満床であったため」だった。
現状の体制のまま「スーパー総合」をスタートさせても、どれだけ機能するかは未知数で、協議会の会長代理を務める楠田聡・東京女子医大母子総合医療センター教授は「あくまでも緊急避難的な対応。最終解決策はNICUを増やすことだ」と指摘した。【江畑佳明】
毎日新聞 2008年11月29日 東京朝刊