東京都立日本橋高校(八戸伸二校長)が2006年度の入試で、合格していた男子受験生2人の点数を改ざんし、不合格にしていたことが28日、分かった。
今月7日に内部告発があり、発覚した。都教育庁は「点数改ざんは初めて。信じられない話だ」と前代未聞の不祥事に仰天。「手口も悪質」として、公文書偽造罪などで刑事告発することも検討している。
都教育庁によると、2人は05年4月に同校に入学し、ほかの生徒への暴力事件や校外で警察に補導されるなどしたため、同年12月に自主退学。06年2月に再受験した。
男子は62人が受験し合格ラインは60人。再受験の2人は総合成績で34、59位と、本来“サクラサク”だった。しかし当時の苗村深校長(現福生高校長)が生活指導上の問題再発を懸念。2人の点数改ざんを指示された当時の武田富雄副校長(現足立西高副校長)は、学力検査の点数こそ操作しなかったが、自己PRカード点を0点にし、調査書の各項目を最低のオール1に細工。ほかの受験生の点数を上げ、2人は不合格とした。
2人は現在20歳と18歳で、都教育庁は27日、双方の保護者に謝罪。前校長と前副校長は12月1日付で都の教職員研修センターに異動させる。
入試成績は、新卒の受験生の分は在籍中学へ送られるが、既卒だと高校の窓口で開示を申請する必要がある。ほかに不正操作された受験生8人も既卒組で、都教育庁は「改ざんがバレにくい」と指摘。大原正行都教育長は「心からおわび申し上げる」と陳謝した。
日本橋高校は中央区日本橋箱崎町にある1940年創立の共学校。全日制の普通科に422人(うち女子169人)が学ぶ。