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【東京】

都立高入試点数操作 二重、三重で改ざん 当時の校長ら 別の受験生に加点も

2008年11月29日

謝罪の言葉を述べる大原教育長=都庁で

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 二〇〇六年度の都立日本橋高校の入試で、元同校生徒だった男子受験生二人の点数を減点するなどして、意図的に不合格とした問題。不正処理を指示した苗村深校長と実行した武田富雄副校長(いずれも当時)は、二人を落とすため、二重、三重の改ざんに手を付けていたという。

 都教委によると、入試では受験生を受験番号で管理するため、採点や合否判定時に個人名などは分からない。ところが苗村校長は、願書などの書類と受験番号を照合し、元生徒二人を特定、不正操作を行ったという。

 元生徒二人は問題行動があって退学し、再入学を目指し受験した。苗村校長は「生活指導上の課題の再発を懸念した」と動機を話しているという。

 合否は▽学力検査▽中学校の調査書▽自己PR書−の総合点で判定する。武田副校長は総合得点で合格見込みとなった元生徒二人の自己PR書を六十点から零点に、調査書得点は「オール一」相当に減点し、パソコン上でデータを書き換えた。

 この得点操作でも、二人のうち一人は合格圏内にいたため、下位の成績だった別の受験生二人の自己PR点を水増しし、ようやく元生徒を不合格にした。

 現役受験生の得点は在籍中学に送られ、不正が発覚する可能性が高いが、既卒者の得点は送られない。都教委は「自分で高校に申し出れば点数が分かるが、そのような生徒はまれ。そのすき間をついたのでは」と話す。

 大原正行教育長は会見で「入学者選抜の根幹にかかわる。原因究明と再発防止に最善を尽くす」と陳謝した。

 

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