「もっと運動しないといけません。三十分は歩いた方がよろしい」。医師に自分の健康データを示され、また今年も同じ注意を受けたところだ。
腹が出てきてメタボリック症候群になる直前の状態なのだが、なかなか実行できない。通勤に借りている駐車場から会社まで数百メートル歩くのが、せいぜいだ。気休めとして階段を歩いて上ったりする。
ちっとも歩かないわが身に比べ、首都圏や近畿地方など都市部の人は実によく歩いていることを知った。今年の「食育白書」に出ていたデータである。成人男性で、一日八千歩ぐらい。一歩六十センチとして、五キロくらいになろうか。
むしろ東北や四国など地方の人たちの方が歩いていない。一日六千二百歩程度で、二千歩の差がある。都市では公共交通機関を使うため駅やバス停まで歩くのに、地方は自動車を利用しているためだ。
肥満者の割合も都市と地方では大きな差がある。東京都や神奈川県、大阪府などでは低く、地方では高い。都市部の方がよく歩くからスマートなわけだ。子ども(十二歳児)の肥満でも地方が高い傾向がある。
今年からメタボ追放のため、特定健診・特定保健指導が始まっている。生活習慣病の予備軍を削減するのが狙いだが、結果が出るのはまだ先のことだ。もっと歩かねばならない。