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羽賀研二の無罪判決にガッカリした人々へ
GET 300pt コメント数：0件 \| アクセス: 12396件	11月28日17時26分配信

大阪地裁（中川博之裁判長）は28日、詐欺と恐喝未遂の罪に問われた羽賀研二に対して無罪（求刑懲役8年）を言い渡した。恐喝未遂罪に問われたボクシング元世界王者渡辺二郎も無罪（求刑懲役4年）とした。

事件は、未公開株を取得額の3倍で売り、約3億7000万円をだまし取ったなどとして、羽賀研二が詐欺と恐喝未遂の罪に問われ、羽賀の共犯として渡辺二郎が恐喝未遂の罪に問われたものである。

起訴状によると、羽賀は2001年6月から10月にかけて、不動産会社社長に医療関連会社の未公開株を実際の3倍の価格で売りつけ、代金計3億6000万円と手数料1000万円をだまし取ったとされた。医療関連会社が上場せずに倒産したため、この不動産会社社長はそれまでの借金の未返済額約3569万円を含めた約4億円の支払いを羽賀に請求。羽賀は渡辺らと共謀し、1000万円で債権を放棄するよう、2006年6月30日に不動産会社社長を脅したとされていた。

もともと原告の不動産会社社長は羽賀の元タニマチ的存在である。これについては両者とも異存はない。

「今は亡くなった友人を介して大阪で知り合い、食事や飲みに連れて行ってもらった。大阪に来ると会い、基本的にごちそうになっていた。（タニマチと表現されても）仕方ない」（公判で羽賀）
「平成13年当時はそれまで7年間、羽賀被告を経済的に支援してきた」（同・社長）

それがなぜこのようなことになったのか。

羽賀は、知り合って数ヶ月後にはこの社長から2000万～3000万円の融資を受けていた。その流れで2001年には、医療関係会社の未公開株を1株40万円で100株買うために、社長に5000万円の融資を依頼。社長は最終的に8000万円を羽賀に貸している。これが今回の事件の発端である。

羽賀によると、このとき社長は、金を貸すだけではなく自分に羽賀の株を譲って欲しいと言いだし、社長自ら「3倍で買う」と言ったとされる。羽賀は300株を1株120万円で社長に売り、代金3億6000万円と手数料1000万円の計3億7000万円を受け取った。ところが、この医療関連会社が倒産。羽賀は社長から「金を返してほしい、そうしないと記者会見して君をつぶす」などと、株の代金を返金するように強く迫られたという。

一方、社長の言い分によると、株は羽賀から「絶対に損はさせません」と言われ、何度も何度も自宅への電話で株を買うようにと言われてしぶしぶ購入したものという。「3倍で買」ったのも、羽賀から「売りつけられた」と主張。「悪魔の所業です。これが詐欺でなければ何が詐欺になるんですか」と9月8日の公判で語っていた。

つまり、詐欺罪の争点は、羽賀が1株40万円で入手したという認識が社長にあったかどうかであった。羽賀側は「（社長は）3倍と知った上で購入した」と主張。検察側は1株120万円で入手したものと誤信させたと平行線だった。今回の判決で、「誤信」という主張が却下されたわけだ。

恐喝未遂罪についても、羽賀側は「渡辺被告と共謀した事実は全くない」としていた。羽賀は渡辺から2005年11月頃、経営している沖縄の飲食店の赤字を補填するために3000万円の融資を依頼した。これは吉川に頼んで返済してもらっているとされるが、その3000万円は恐喝行為の謝礼といわれ、これが裁判の争点になっていた。

この事件、芸能マスコミにずいぶん取り上げられたが、その報道には、受け手側も含めて「あの羽賀研二ならやりかねない」というムードがあった。羽賀の無罪判決で、その人々はどう自分たちの態度に折り合いをつける気だろう。

先日亡くなった三浦和義さん、かつての野村沙知代さんなどもそうだったが、マスコミはいったん叩く側に置いた者に対しては情け容赦ない報道がなされる。それが事実と道理があればいいが、残念ながら必ずしもそうではない。「『悪い奴』なら少しぐらいハメを外した報道をしたって構わないのだ」といわんばかりに、記事の多くには事実無根であったり悪意に貫かれたりしている。とんだ思い上がりである。

そして、受け手である読者・視聴者もそれを歓迎する悪意を持っている。「有名人」をオモチャにして、あることないこと書き込んでガス抜きしているWeb掲示板のスレッドは枚挙にいとまがない。芸能人は叩かれてナンボだとは思うが、事実でもないことをネタに騒いでも仕方ないだろう。

私は、本来言論には言論でという立場だが、三浦さんや野村さんらのメディアや著名人たちに対する名誉毀損に対しては、むしろ快哉を叫んでいた。

この事件、控訴されるかもしれないし、まだ最終的な結論が出たわけではない。しかし、いずれにしても、スケープゴートを作って、それに対しては無差別攻撃を仕掛けるという卑劣な言論はいい加減改めてもらいたいものである。

記事ID A29405