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国産手袋、安い輸入品に対抗 コスプレ用に変身 香川の職人、ネット販売で商機
このニュースのトピックス:美容・コスメ
手袋の生産日本一の香川県で、特撮ヒーローに扮(ふん)する「コスプレ」用の手袋など遊び心のある商品を作り、強力な海外製品に立ち向かっている「手袋職人」がいる。
さぬき市でもともとスキー手袋の下請けをしていた出石尚仁さん(49)。バブル崩壊後、生産拠点がコストの安い海外に移転する一方、スキー人気も低迷し仕事が激減。
「いつやめようか」と迷っていた2003年、じわじわと利用者が拡大していたインターネットオークションに出品したことが転機となった。
何の変哲もない白い革手袋だったが、利用者から来た問い合わせは「色を塗ったら仮面ライダーに使えますか」。
驚きながらも「面白いやん」と食い付いた出石さん。雑誌などを見てコスプレを研究し、さまざまなヒーロー用手袋を作っては出品。愛好家に知られるようになり、米国からも引き合いが来るようになった。
現在は、ネットの「手袋職人ブログ」でオーダーメードを受け付け、自転車やドライブ用革手袋など「欲しい人はいるが作り手があまりいない」商品に力を入れている。
9時間以上、手袋を作り続ける毎日。コスプレファンのおかげで改めて気付いたモノづくりの楽しさ。出石さんの信条は「自分が遊ばないかん」だ。問い合わせは出石手袋(電)0879・43・5676。
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【用語解説】コスプレ
コスチュームプレーの略。漫画やアニメ、特撮などのキャラクターの衣装や化粧をまね、なりきって楽しむ。漫画の同人誌の即売会などから広がったといわれる。日本のアニメ人気に伴い海外でも愛好家が増え、英語のcosplayという言葉ができた。