学歴詐称:精神科専門医が指摘する「ニセモノ」たちの傾向
限りなく続く有名芸能人による学歴詐称問題は、「看板」と「序列」に執着する韓国社会が生み出した問題に過ぎないのか。
精神科の専門医たちは、偽造された学歴を前面に出して成功を追い求めるニセモノたちは反社会的(Antisocial)人格障害や自己愛的(Narcissistic)人格障害を持つ可能性が高いと指摘する。
「反社会的人格障害」とは、自らの利益のためにウソや違法行為もためらわず、これに伴う罪の意識も感じない精神医学的障害の一種だ。新村セブランス病院精神科の南宮錡(ナムグン・ギ)教授は「反社会的人格障害を持つ人は社会的責任感も欠如し、自らが犯したことで他人が味わう苦痛や被害を理解できない」と語る。最近問題となった人物たちが、自らのウソが明らかになった状況でも逆に堂々と社会やマスコミに責任を転嫁する様子からも、このような特性をうかがうことができる。虚偽の学歴が明らかになると、無責任にも行方をくらますのもよく似たケースだ。
映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のモデルとなった実在の人物フランク・アビグネールが、典型的な反社会的人格障害の事例だ。南宮教授は「罪の意識がなくあまりにも堂々としているので、もしかすると本物ではないかと思わせるのも彼らの特性」と述べた。
「自己愛性人格障害」になると、自らが常に関心の中心にいなければならず、自らが望むものを得るために手段と方法を選ばなくなる。江北サムスン病院精神科のシン・ヨンチョル教授は「彼らの自己陶酔的性向が時には魅力的に見えることもあるが、自らの利益のために人間関係を結ぶため、結局は社会生活に問題が生じる」と語った。
シン教授は「しかし、学歴詐称を行った全員が性格的に障害を持つと診断することはできない。本当に性格障害なら、ほしいものを得るために徹底して意図的に学歴を詐称するし、よく似たウソを何度も繰り返す。ウソがばれても反省や後悔よりも否認したり他人のせいにする」と述べた。単に誤って伝えられた学歴を積極的に修正しようとしないのとは異なるというわけだ。
シン教授は「過去において韓国社会は、一部の芸能人や文芸人が適当に年齢をごまかし学歴詐称を行うことについて、大した問題とはしない雰囲気だったのは事実だが、今や変わらなければならない」と指摘する。
建国大学病院精神科のハ・ジヒョン教授は「学歴詐称を行えば、例え意図したものではなかったとしても、いいイメージや社会的に認められるにあたり利益を得ることになる。これは明らかに誤りだ」と指摘する。「学閥が支配する社会」が「学歴詐称」に対する免罪符となることはないという意味だ。
李智恵(イ・ジヘ)記者
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